麗〈レイ〉17話 愛と権力
目次
あらすじ
王昭(ワン・ソ)皇子はヘ・スに皇帝になれば兄弟の争いをやめさせ不条理を正せると言いました。ヘ・スは皇帝になってほしくないけど別れるのはもっと嫌だとワン・ソに皇帝になってほしいけど兄弟を討ってはならぬと言いました。
949年3月。ワン・ソ第三皇子は兵を率いて城門に迫りました。皇城を守っている兵士は門を閉じました。
王の寝所。
ヘ・スは寝間着姿の皇帝に茶を差し出しました。定宗(チョンジョン、ワン・ヨ)は毒でも盛ったのかとヘ・スを疑います。定宗(チョンジョン)は兄を殺してでも皇帝になろうと決めたのはヘ・スがワン・ソの顔の傷を隠して世継ぎの座を奪ったからだと言いました。そこに忠州(チュンジュ)院劉(ユ)氏が現れ実息子のソ皇子が攻めてきたと息子に言いました。ユ氏はワン・ジョンに皇帝の位を譲るように定宗(チョンジョン)に署名させようとします。
「皇位を奪われる前に早く。ジョンが次の皇帝だと書けば殺されない。」
「ならば、私は・・・私は息子ですか?母上にとって私は何ですか?虚栄を満たす存在ですか?皇帝ではない息子は用なしですか!」
「ヨや。落ち着きなさい。ジョンに禅位を。」
「これでソの気持ちがわかる気がする。皇太后をつまみ出せ!」
定宗(チョンジョン)が命じると内官が現れユ氏を追い出しました。
神静王后皇甫氏(皇太后)の部屋。
母のファンボ氏のもとにファンボ・ヨナが現れ兄の王旭(ワン・ウク)の姿が見えず、ワン・ソとパク・スギョンが合流しこのままでは不利だと危機感を表しました。ファンボ氏は「母として肝心なことを教えてなかった。皇宮の主人になりたければ、何かを捨てねば」と娘に言いました。
「お母さま。」
「天下を得て心を捨てるか、心を得て狭い世の中で生きるか。」
「私が天下を望むとしたら?」
「私は、ウクを捨てる。」
ワン・ソは大将軍パク・スギョンと王郁(ワン・ウク)とともに城内に乗り込もうとしました。すると、そこにファンボ・ヨナが現れ「私がお兄様の無血開城をお手伝いしましょう」と言いました。
「お前の忠心は忘れぬ。」
ワン・ソはヨナに言いました。
皇帝の寝所。
定宗(チョンジョン)はヘ・スに心の内を明かすと苦しそうにしました。
「私は捨てられるのが怖かった。ソのように追い出されるのが。母上が言ったのだ。私は完全で無欠だと。なのに・・・。はあ。はあ。お前のせいだ。お前が邪魔をしたせいで!お前が選べ。ゴホゴホ。誰に譲るか。ジョンか。ウクか?ぺガ?ソか?」
定宗(チョンジョン)はヘ・スを押し倒しました。部屋の外から皇帝を捜せという男の声と、女官の悲鳴が聞こえました。定宗(チョンジョン)は遺言書をくしゃくしゃに丸めるとヘ・スに差し出しました。
「(私はただ・・・・・・行きたかったのだ。)」
定宗(チョンジョン)は目を見開いたまま死にました。
「あ・・・あ・・・・。」
へ・スは尻もちをついて怯えました。
そこにワン・ソが現れ定宗(チョンジョン)の手から遺言書をもぎ取りました。
「読んだか?」
ワン・ソはヘ・スに尋ねました。ヘ・スは首を横に振りました。ワン・ソは遺言書を破り捨てました。
遅れて皇太后の劉氏が部屋に現れました。劉氏は息絶えたヨを見下ろしショックを受けましたました。
「新皇帝陛下。万歳。万歳。万々歳。」
ヘ・スはワン・ソに言いました。
「皇帝だと?」
劉氏はうろたえました。
「陛下は私に禅位されました。」
ワン・ソは母に言いました。
チュ・ジモンたちもワン・ソに万歳をしました。
神静王后皇甫氏(皇太后)の部屋。
母のファンボ氏のもとにファンボ・ヨナが現れ兄の王旭(ワン・ウク)の姿が見えず、ワン・ソとパク・スギョンが合流しこのままでは不利だと危機感を表しました。ファンボ氏は「母として肝心なことを教えてなかった。皇宮の主人になりたければ、何かを捨てねば」と娘に言いました。
「お母さま。」
「天下を得て心を捨てるか、心を得て狭い世の中で生きるか。」
「私が天下を望むとしたら?」
「私は、ウクを捨てる。」
ワン・ソは大将軍パク・スギョンと王郁(ワン・ウク)とともに城内に乗り込もうとしました。すると、そこにファンボ・ヨナが現れ「私がお兄様の無血開城をお手伝いしましょう」と言いました。
「お前の忠心は忘れぬ。」
ワン・ソはヨナに言いました。
皇帝の寝所。
定宗(チョンジョン)はヘ・スに心の内を明かすと苦しそうにしました。
「私は捨てられるのが怖かった。ソのように追い出されるのが。母上が言ったのだ。私は完全で無欠だと。なのに・・・。はあ。はあ。お前のせいだ。お前が邪魔をしたせいで!お前が選べ。ゴホゴホ。誰に譲るか。ジョンか。ウクか?ぺガ?ソか?」
定宗(チョンジョン)はヘ・スを押し倒しました。部屋の外から皇帝を捜せという男の声と、女官の悲鳴が聞こえました。定宗(チョンジョン)は遺言書をくしゃくしゃに丸めるとヘ・スに差し出しました。
「(私はただ・・・・・・行きたかったのだ。)」
定宗(チョンジョン)は目を見開いたまま死にました。
「あ・・・あ・・・・。」
へ・スは尻もちをついて怯えました。
そこにワン・ソが現れ定宗(チョンジョン)の手から遺言書をもぎ取りました。
「読んだか?」
ワン・ソはヘ・スに尋ねました。ヘ・スは首を横に振りました。ワン・ソは遺言書を破り捨てました。
遅れて皇太后の劉氏が部屋に現れました。劉氏は息絶えたヨを見下ろしショックを受けましたました。
「新皇帝陛下。万歳。万歳。万々歳。」
ヘ・スはワン・ソに言いました。
「皇帝だと?」
劉氏はうろたえました。
「陛下は私に禅位されました。」
ワン・ソは母に言いました。
チュ・ジモンたちもワン・ソに万歳をしました。
ある日。
ワン・ソは光宗(クァンジョン)として即位しました。ファンボ・ヨナは異母兄のことを誇らしく思いました。
「皇帝ー陛下ー万歳ー万歳ー万々歳ー。」
パク・スギョンと臣下たちは万歳を唱えました。
「(光宗(クァンジョン)。この人が、高麗の第四代皇帝光宗(クァンジョン)よ。血の君主にはさせない。私が力になります。)」
ヘ・スは光宗(クァンジョン)を見つめました。
「わが一族は皇帝ではなく皇后の輩出を目指す。そなたは変わってしまった。自分が苦しむだけだ。いっそ王室から離れよ。」
皇甫(ファンボ)氏は息子の王旭(ワン・ウク)に言いました。
王旭は即位式を欠席して薄暗い部屋で謀略を巡らせていました。部屋にファンボ・ヨナが現れると王旭(ワン・ウク)は王式廉(ワン・シンニョム)はすでに殺され自分はワン・ソの手下に監禁されていたと言いました。ファンボ・ヨナは兄の無念を晴らすので力になってほしいとウクに頼みました。
皇太后の部屋。
ヘ・スは皇太后に挨拶しました。皇太后の隣にはジョンが侍っていました。劉氏は破り捨てられた遺言書をスに見せヨがソに位を譲ったか尋ねました。ヘ・スはそうだと答えると、劉氏は違うと答えました。
「言え。本当のことを言え!」
劉氏はヘ・スの体を揺すりました。そこに光宗(クァンジョン)が現れヘ・スの手を繋ぎました。光宗(クァンジョン)はヨが書状を破って直接禅位したと母に言いました。
「私が皇帝の位を奪っていたら今頃皇宮は弟と甥の血で染まっていました。」
光宗(クァンジョン)は言うと、スを連れて部屋を出ました。
「私の息子から皇位を奪った泥棒め。忠州(チュンジュ)を呼べ。話があると伝えろ。」
劉氏はジョンに命じました。
光宗(クァンジョン)はヘ・スに皇太后に呼ばれたら自分に言えと言いました。
皇帝の部屋。
光宗(クァンジョン)はチュ・ジモンから上疏(じょうそ、上奏)が相次いでいると報告を受けました。
「慶春院君(キョンチュウォングン)が皇位を継ぐべきだと。佐丞(チャスン)のパク・ヨンギュは遺言はでっちあげだと噂しています。」
「殺せ。」
「え?」
「皆謀反の罪で処刑しろ。先帝が逝去した時に御殿にいた女官や兵士も殺せ。皇位継承に疑念を抱く者は一人残らずな。ただの一人も残さぬ。」
皇宮の一角。
「皇帝が私を殺すそうだ。」
パク・ヨンギュはウヒに言いました。
「遺言はでっち上げだと噂を流すからです。」
ウヒはヨンギュに言いました。
「そうか?お前がソ皇子とぺガを監視していたことも明かす。お前も道連れだ。」
ヨンギュが言うと、ウヒはヨンギュの首を守り刀で刺しました。
ウヒ(キョン・フォンの孫)はペガからの贈り物を手にもって震えていると、ペガが現れました。驚いたウヒはノリゲを落としてしまいました。ペガはウヒに豪族の養女になってほしいと言いました。
「後百済出身だから?」
「母上たちはキョン・フォンを恨んでいる。目の前で家族を殺された。後百済(フベクチェ)人を嫌っているのだ。お前とは何の関係もないのにな。だが反対を避けるためだ。ご両親のお墓には私が謝りに行く。大丈夫だ。」
「皇帝の皇室は私の両親を殺した。私の国の王はあなたの家族を殺した。ゆえに我々は一緒にいてよいのか?」
「ウヒや。お前も私も悪くない。一緒になろう。お前が私を嫌いにならない限りは。」
皇帝の部屋。
娘と婿を殺されたパク・スギョンは隠居を申し出ました。
光宗(クァンジョン)は慰留しました。
「陛下。民のため聖君になってください。必ずです。」
パク・スギョンは皇宮を去りました。
ワン・ソは光宗(クァンジョン)として即位しました。ファンボ・ヨナは異母兄のことを誇らしく思いました。
「皇帝ー陛下ー万歳ー万歳ー万々歳ー。」
パク・スギョンと臣下たちは万歳を唱えました。
「(光宗(クァンジョン)。この人が、高麗の第四代皇帝光宗(クァンジョン)よ。血の君主にはさせない。私が力になります。)」
ヘ・スは光宗(クァンジョン)を見つめました。
「わが一族は皇帝ではなく皇后の輩出を目指す。そなたは変わってしまった。自分が苦しむだけだ。いっそ王室から離れよ。」
皇甫(ファンボ)氏は息子の王旭(ワン・ウク)に言いました。
王旭は即位式を欠席して薄暗い部屋で謀略を巡らせていました。部屋にファンボ・ヨナが現れると王旭(ワン・ウク)は王式廉(ワン・シンニョム)はすでに殺され自分はワン・ソの手下に監禁されていたと言いました。ファンボ・ヨナは兄の無念を晴らすので力になってほしいとウクに頼みました。
皇太后の部屋。
ヘ・スは皇太后に挨拶しました。皇太后の隣にはジョンが侍っていました。劉氏は破り捨てられた遺言書をスに見せヨがソに位を譲ったか尋ねました。ヘ・スはそうだと答えると、劉氏は違うと答えました。
「言え。本当のことを言え!」
劉氏はヘ・スの体を揺すりました。そこに光宗(クァンジョン)が現れヘ・スの手を繋ぎました。光宗(クァンジョン)はヨが書状を破って直接禅位したと母に言いました。
「私が皇帝の位を奪っていたら今頃皇宮は弟と甥の血で染まっていました。」
光宗(クァンジョン)は言うと、スを連れて部屋を出ました。
「私の息子から皇位を奪った泥棒め。忠州(チュンジュ)を呼べ。話があると伝えろ。」
劉氏はジョンに命じました。
光宗(クァンジョン)はヘ・スに皇太后に呼ばれたら自分に言えと言いました。
皇帝の部屋。
光宗(クァンジョン)はチュ・ジモンから上疏(じょうそ、上奏)が相次いでいると報告を受けました。
「慶春院君(キョンチュウォングン)が皇位を継ぐべきだと。佐丞(チャスン)のパク・ヨンギュは遺言はでっちあげだと噂しています。」
「殺せ。」
「え?」
「皆謀反の罪で処刑しろ。先帝が逝去した時に御殿にいた女官や兵士も殺せ。皇位継承に疑念を抱く者は一人残らずな。ただの一人も残さぬ。」
皇宮の一角。
「皇帝が私を殺すそうだ。」
パク・ヨンギュはウヒに言いました。
「遺言はでっち上げだと噂を流すからです。」
ウヒはヨンギュに言いました。
「そうか?お前がソ皇子とぺガを監視していたことも明かす。お前も道連れだ。」
ヨンギュが言うと、ウヒはヨンギュの首を守り刀で刺しました。
ウヒ(キョン・フォンの孫)はペガからの贈り物を手にもって震えていると、ペガが現れました。驚いたウヒはノリゲを落としてしまいました。ペガはウヒに豪族の養女になってほしいと言いました。
「後百済出身だから?」
「母上たちはキョン・フォンを恨んでいる。目の前で家族を殺された。後百済(フベクチェ)人を嫌っているのだ。お前とは何の関係もないのにな。だが反対を避けるためだ。ご両親のお墓には私が謝りに行く。大丈夫だ。」
「皇帝の皇室は私の両親を殺した。私の国の王はあなたの家族を殺した。ゆえに我々は一緒にいてよいのか?」
「ウヒや。お前も私も悪くない。一緒になろう。お前が私を嫌いにならない限りは。」
皇帝の部屋。
娘と婿を殺されたパク・スギョンは隠居を申し出ました。
光宗(クァンジョン)は慰留しました。
「陛下。民のため聖君になってください。必ずです。」
パク・スギョンは皇宮を去りました。
夜の皇宮。
パク・スギョンが皇宮が嫌になり去ってしまったと光宗(クァンジョン)はヘ・スに言いました。
「空白だった。誰の名もなかった。だから、混乱を避けるため破いたのだ。どのみち皇宮を占領していた。」
「正しい判断です。」
ヘ・スが答えると光宗(クァンジョン)は母に憎まれ兄弟に恨まれ恐れられる孤独な苦しみを打ち明けました。ヘ・スは「私がいます。離れません。」と光宗(クァンジョン)の肩にもたれかかりました。
ある日。
ヘ・スは御殿に上がることになりました。チェリョンは免賤(ミョンチョン、身分を開放)されて放免されるが皇宮に置いてほしいとヘ・スに頼みました。
チェリョンはワン・ウォンに恋慕の情を示しました。ワン・ウォンはまだ頼みたいことがあるので皇宮にとどまってほしいとチェリョンに頼みました。
皇帝の謁見の間。
ワン・ジョンとその臣下たちは遺言を明らかにしてほしいと光宗(クァンジョン)に迫りました。ジモンは皇甫(ファンボ)氏一族を味方にできれば力強いと皇帝に助言しました。
夜になりました。
へ・スの寝殿の前に王旭(ワン・ウク)が待っていました。
「とうとう、あいつを選んだ。皇位も心も望むのは欲張りだといったな。そなたは皇帝の女人(にょにん)になった。そなたがわからない。」
「あの方は正直です。私と皇位、どちらも逃したくないと欲もさらけ出しました。だから歩み寄れたのです。」
「なぜ私が皇帝になれぬと思うのだ。私は、王の器ではないと?」
「違います。」
「ならばなぜ。」
「ワン・ソ皇子様は皇帝の星をお持ちです。皇子様のせいでなく、道理であり運命だからです。」
「星ごときのせいだと?道理で、運命?」
王旭(ワン・ウク)の部屋。
王旭(ワン・ウク)皇子はヘ・スに「生涯外してはならぬ」と言って結んだ赤い紐の玉の腕輪を眺めていました。王旭(ワン・ウク)は球を砕きました。そこに妹のファンボ・ヨナが現れました。
「お前は、皇后になる。」
「力になってくれますか?」
「すべてを手に入れはさせぬ。それでこそ公平だ。」
皇帝の部屋。
ヘ・スは茶美園(タミウォン)で働かせてほしいと光宗(クァンジョン)に頼みました。
「チェリョンのことです。解放する女官の中から外してください。チェリョンがいたら寂しくありません。ね?」
「わかった。わかった。だが、これからは寂しくないぞ。子ができればな。」
「子・・・。」
光宗(クァンジョン)はヘ・スと結ばれることを望みました。
ある日。
ヘ・スは御殿医の脈診を受けました。医者は拷問を受けた時に痛めた膝の具合がよくなくいずれ歩けなくなり心の病から生じた動悸の持病があるので天寿を全うできないと診断しました。
「余命を教えてください。」
(えっ・・・!???)
「健康管理します。まだ二十代なのに、あと十年なんて。もっと生きます。あの方と、もっと一緒にいたいです。」
ヘ・スは石塔に祈りました。
ある日。
王旭(ワン・ウク)が臣下を代表して光宗(クァンジョン)に謁見しました。王旭(ワン・ウク)は三十万の光軍司の長は重臣らの投票で決めること、浦の管理は豪族に任せること、皇室に税を納めたら残りは地方で運用することを求めました。
「そうすれば重臣は協力的になります。翼を差し出せないなら心臓は?ファンボ一族から皇后を迎えてもらいます。」
ファンボ・ヨナがヘ・スに会いに来ました。ヘ・スは何も望みはないと言いました。ファンボ・ヨナはヘ・スが皇宮にいることを認め皇帝の世話くらいなら許そうと言いました。ファンボ・ヨナは光宗(クァンジョン)の皇后となると宣言しました。
王旭(ワン・ウク)はヨナと婚姻すれば豪族も味方になると光宗(クァンジョン)に言いました。
「約束した者がいる。」
「ヘ・スですか?あの子は皇后になれません。」
「私がすると言ったらするのだ。」
「あの者は以前手首を切りました。体に傷があれば皇后にはなれません。」
王旭(ワン・ウク)皇子は王昭(ワン・ソ)にとどめを刺しました。
パク・スギョンが皇宮が嫌になり去ってしまったと光宗(クァンジョン)はヘ・スに言いました。
「空白だった。誰の名もなかった。だから、混乱を避けるため破いたのだ。どのみち皇宮を占領していた。」
「正しい判断です。」
ヘ・スが答えると光宗(クァンジョン)は母に憎まれ兄弟に恨まれ恐れられる孤独な苦しみを打ち明けました。ヘ・スは「私がいます。離れません。」と光宗(クァンジョン)の肩にもたれかかりました。
ある日。
ヘ・スは御殿に上がることになりました。チェリョンは免賤(ミョンチョン、身分を開放)されて放免されるが皇宮に置いてほしいとヘ・スに頼みました。
チェリョンはワン・ウォンに恋慕の情を示しました。ワン・ウォンはまだ頼みたいことがあるので皇宮にとどまってほしいとチェリョンに頼みました。
皇帝の謁見の間。
ワン・ジョンとその臣下たちは遺言を明らかにしてほしいと光宗(クァンジョン)に迫りました。ジモンは皇甫(ファンボ)氏一族を味方にできれば力強いと皇帝に助言しました。
夜になりました。
へ・スの寝殿の前に王旭(ワン・ウク)が待っていました。
「とうとう、あいつを選んだ。皇位も心も望むのは欲張りだといったな。そなたは皇帝の女人(にょにん)になった。そなたがわからない。」
「あの方は正直です。私と皇位、どちらも逃したくないと欲もさらけ出しました。だから歩み寄れたのです。」
「なぜ私が皇帝になれぬと思うのだ。私は、王の器ではないと?」
「違います。」
「ならばなぜ。」
「ワン・ソ皇子様は皇帝の星をお持ちです。皇子様のせいでなく、道理であり運命だからです。」
「星ごときのせいだと?道理で、運命?」
王旭(ワン・ウク)の部屋。
王旭(ワン・ウク)皇子はヘ・スに「生涯外してはならぬ」と言って結んだ赤い紐の玉の腕輪を眺めていました。王旭(ワン・ウク)は球を砕きました。そこに妹のファンボ・ヨナが現れました。
「お前は、皇后になる。」
「力になってくれますか?」
「すべてを手に入れはさせぬ。それでこそ公平だ。」
皇帝の部屋。
ヘ・スは茶美園(タミウォン)で働かせてほしいと光宗(クァンジョン)に頼みました。
「チェリョンのことです。解放する女官の中から外してください。チェリョンがいたら寂しくありません。ね?」
「わかった。わかった。だが、これからは寂しくないぞ。子ができればな。」
「子・・・。」
光宗(クァンジョン)はヘ・スと結ばれることを望みました。
ある日。
ヘ・スは御殿医の脈診を受けました。医者は拷問を受けた時に痛めた膝の具合がよくなくいずれ歩けなくなり心の病から生じた動悸の持病があるので天寿を全うできないと診断しました。
「余命を教えてください。」
(えっ・・・!???)
「健康管理します。まだ二十代なのに、あと十年なんて。もっと生きます。あの方と、もっと一緒にいたいです。」
ヘ・スは石塔に祈りました。
ある日。
王旭(ワン・ウク)が臣下を代表して光宗(クァンジョン)に謁見しました。王旭(ワン・ウク)は三十万の光軍司の長は重臣らの投票で決めること、浦の管理は豪族に任せること、皇室に税を納めたら残りは地方で運用することを求めました。
「そうすれば重臣は協力的になります。翼を差し出せないなら心臓は?ファンボ一族から皇后を迎えてもらいます。」
ファンボ・ヨナがヘ・スに会いに来ました。ヘ・スは何も望みはないと言いました。ファンボ・ヨナはヘ・スが皇宮にいることを認め皇帝の世話くらいなら許そうと言いました。ファンボ・ヨナは光宗(クァンジョン)の皇后となると宣言しました。
王旭(ワン・ウク)はヨナと婚姻すれば豪族も味方になると光宗(クァンジョン)に言いました。
「約束した者がいる。」
「ヘ・スですか?あの子は皇后になれません。」
「私がすると言ったらするのだ。」
「あの者は以前手首を切りました。体に傷があれば皇后にはなれません。」
王旭(ワン・ウク)皇子は王昭(ワン・ソ)にとどめを刺しました。
感想
なんということでしょう。よりによってヘ・ス(コ・ハジン)の余命があと10年しかないなんて!不潔で栄養不足の高麗時代のことですから、やっぱりそうなっちゃいますか。というか、ヘ・スは王昭(ワン・ソ)皇子と同じお布団で寝た仲なのに、まだだったのかしら?まだ結婚すらしていないのですね。まさに歴史通りといったところでしょうか。あんなに優しかった王旭(ワン・ウク)皇子も恋のために意地悪になってしまったかのようですね。王旭(ワン・ウク)皇子はダメンズみたい。こりゃダメだ。そしてチェリョンはワン・ウォン皇子(実在するかどうかは不明ですが、王位君に相当)に騙されているみたいです!!!ワン・ウォン皇子といえばお母さんは貞徳王后で劉氏とも皇甫(ファンボ)氏とも繋がりがないのに、なんだか意地悪そうですね。ちょーっと終わりにかけてどん底展開が待っているような感じです。