麗〈レイ〉14話
目次
あらすじ
二年後の恵宗(ヘジョン)2年(945年)。ヘ・スは尚宮(サングン)に昇格していました。ヘ・スは漢文を覚えチェリョンは女官となり茶と薬草の名前をすべて覚えました。チェリョンは「ヘ・スお嬢様」の誕生日にひざ掛けを贈り王旭(ワン・ウク)の配慮で皇宮に上がれたと言いました。
茶美園(タミウォン)。
第十三皇子ペガ(王郁)はヘ・スに誕生祝として波斯国(はしこく、ペルシャ)の商人から買った勃牙利(ぼっかり、ブルガリア)の香水を贈りました。第四皇子の王昭(ワン・ソ)は「たかが女官のために来てやっただけでも贈り物だ」と言いました。ヘ・スは生まれただけでも感謝しないと、とワン・ソを冷たくあしらいました。
夜になり、ヘ・スは自室で書物を呼んでいると部屋の外から犬の遠吠えを真似た声がしました。ヘ・スが部屋の外に出るとワン・ソが誕生祝いにいい物を見せてやると手を差し伸べました。ワン・ソは北振と怒り星をヘ・スに教えると、ヘ・スは北極星とカシオペア座だと言いました。ワン・ソは幼い頃に母に会いに行った時のことをヘ・スに話し始めました。ワン・ソは母の膝枕にワン・ジョンを抱いていたのを見てジョンをこの世から消したいと思ったととを打ち明けました。母のユ氏はソの殺気を見てジョンを隠したのでした。ワン・ソはヘ・スに話すと心が軽くなるから手放せないと再び求愛し口づけ(接吻)しようとしました。ワン・ソは恵宗(ヘジョン)に大事にされていると口づけを断りました。ワン・ソは石塔に今度行って大事な話がしたいとヘ・スを誘いました。
二大皇帝となった恵宗(ヘジョン)は風呂に浸かっていました。尚宮(サングン)はチェリョンを残すといって去りました。第九皇子のワン・ウォンは風呂に恵宗(ヘジョン)ワン・ヨとチェリョンが二人きりでいる様子をのぞき見していました。チェリョンが着替えを膳に乗せて部屋から出てくると、ワン・ウォンはチェリョンに「茶美園の鏡をつくるために水銀を調達させたが届いたか?」と言いました。チェリョンは届いたと答えるとワン・ウォンは満足そうに去りました。
第八皇子の王旭(ワン・ウク)は「時が来たので私に禅位してほしい」と寝所で寝ていた恵宗(ヘジョン)に冷たく言いました。恵宗(ヘジョン)は床から起きて身震いしました。
恵宗(ヘジョン)は弟たちに皇位を狙われ体調を崩し、乱心していました。恵宗(ヘジョン)は幼い皇女を契丹に嫁がそうとしていました。嫌がる皇女を見てワン・ソはかつて母を引き離された自分を重ねました。ワン・ソは姫を契丹に輿に出したら人質にされると恵宗(ヘジョン)に言うと、恵宗(ヘジョン)は毎夜契丹に襲われる夢を見ると言いました。
「お前が皇女の夫となり子を守ってくれ。」
恵宗(ヘジョン)は怯え切って精神を病んでいました。
ある日。
ヘ・スはいつもより着飾り待ち合わせの木の下でワン・ソ皇子を待っていました。しばらくしてワン・ソが現れました。
「アイゴ~本当に来るとは思ってなかった。待ったのか?どうした。すごい話と思っていたか?すまないな。詫びにほかのことを。」
ワン・ソは軽薄な男を演じました。ワン・ソは小舟にヘ・スを乗せました。ワン・ソはこの舟が誰にも見られないので皇宮で一番好きだと言いました。
「好きなのに我慢る気持ちはどんなものかしら。その必要がなくなってよかったです。」
「すまない。お前に、何を話すか忘れたことだ。」
「思い出しますよ。ゆっくりでいいです。」
ヘ・スは言いました。
ワン・ソはヘ・スの美しさにしばらく見とれていました。
皇帝の御前。
恵宗(ヘジョン)のもとに王旭(ワン・ウク)が張り付いていました。ワン・ソは参内し恵宗(ヘジョン)の娘を夫人にすることを了承しました。恵宗(ヘジョン)は自分の娘を第二夫人にしてもよいかた禅位すると言いだしました。王旭(ワン・ウク)は無論だと婚姻を祝いました。
「皇帝の弟で婿。完璧ではないか。違うか?」
「無論です陛下。お祝いします。ふっ。弟の婚姻で泣かれる夫人がいないといいですが。違いますか陛下?」
茶美園。
ヘ・スは第十四皇子のワン・ジョンとワン・ウンのおてんば妃パク・スンドクの顔をエステしていました。貴重な薔薇の香水を使ったことで見ていた王郁(ワン・ウク)はヘ・スに怒りだしました。エステが終わると二人の肌は白くなりつるつるしていました。そこに第十皇子ワン・ウンが現れ弟に色目を使うとはとスンドクを叱りました。スンドクは拗ねて行ってしまいました。ワン・ウンはソが陛下の娘と婚姻するとヘ・スとワン・ジョンの前で話しました。
ヘ・スの執務室。
ヘ・スはソが結婚するという話を聞いて放心していました。そこに王郁(ワン・ウク)が現れソから受け取った書信を渡しました。
「水源に座してみる。雲起こる時・・・。」
「王維の終南別業だ。」
「知らぬことが多いのに、知っているつもりでいた。バカ。」
「兄上がそなたと発ちたがっていたのは本心だ。」
皇帝の御前。
ワン・ソは幼い皇女と会いました。
ヘ・スの執務室。
ヘ・スは何度もワン・ソが書いた詩をなぞっていました。
皇帝の寝所。
恵宗(ヘジョン)はワン・ソに見守られながら眠りに就きました。
夜が明けました。
ヘ・スは何枚もワン・ソが書いた詩の上に紙を敷いて筆でなぞりました。
ある日。
ワン・ジョンは母のユ氏に会いに来ました。女官は母は祈祷中だと言いました。ワン・ジョンは部屋の入り口に男物の靴が置かれていることを見て部屋に乗り込むと、ユ氏は息子の王尭(ワン・ヨ)と一緒にいました。
「将軍のくせに肝が小さいな。」
ワン・ヨはワン・ジョンに言いました。
ユ氏は嬉しそうにワン・ジョンの手を引きワン・ヨとの再会を喜びました。ワン・ヨは逆賊の身で出て来られずシンニョムの助けで生きられたと言いました。ワン・ジョンは恵宗(ヘジョン)に頼めば放免して身分も回復してもらえると言いました。
「元の身分?私は皇位を狙ったのだぞ。すぐ処刑される。ソが皇女と婚姻するのを知らないか?」
「ソ兄上が皇帝になるのは反対です。ですがヨ兄上が反旗を翻されるのも嫌です。謀反は一度で十分です。」
「馬鹿なことを言うな。成功すれば謀反ではない。私は必ず皇帝になる。負けるのは一度だけだ。」
夜の皇宮。
ワン・ソは兵士に誰一人侵入させないように命じました。すると怪しい男が茶美園への兵を乗り越えていきました。
茶美園。
兵士はこの部屋に男が逃げ込んだとワン・ソに言いました。
部屋からヘ・スが出て来て侵入者はいないと答えました。
「何をなさるのです。私は陛下にお仕えする提調尚宮(チェジョサングン)です。殿方は通せません。」
ヘ・スは両手を広げて言いました。
「私が直接調べる。」
ワン・ソが言うと、ヘ・スは簪を抜いて自分の首に突きつけました。
「ここは未婚の女の部屋です。辱めを受けるくらいならいっそ死を選びます。陛下の許可を受けてからお越しください。例外はありませぬ。」
ヘ・スは厳しく言いました。
「本当に誰もいないのか?」
「はい。誰もいません。」
ヘ・スの首から血がにじみでました。
ワン・ソは兵を連れて引き上げました。
ヘ・スが部屋に戻るとワン・ジョンが嬉しそうに「スよ!」と言いました。
翌日の茶美園の庭。
「昨夜部屋にジョンがいただろ?」
ワン・ソはヘ・スの手を引いて問い詰めました。
ヘ・スはいないと答えました。
「ご自分はどうなんです?書状で済ませず説明してください。なぜ婚姻するのですか?目的は皇位ですか?」
ヘ・スは怒りました。
「あの子を、契丹の人質にさせないためだ。仕方なかった。」
「そう言えばいいのに。悲しい思いをしました。」
「我慢を強いることになる。夫人が多いと嫌だろ。婚姻は避けたかったが仕方なかった。どうしろというのだ。」
「あの夜ジョン様がいました。外出禁止を忘れて剣の稽古をしていたと。」
「嘘はつくな。真実を言ってくれ。」
「言いたくない時は、どうすれば?」
「嫌だと言え。嘘をつかれるよりいい。」
「わかりました。」
「私も偽らぬ。ならば、機嫌は直ったか?」
「婚姻を悔やんでいますか?」
「いいや。陛下を守るためだ。皇女は出家させた。そういう約束だ。そなた、他の者が好きだと。それは、ジョンか?」
「ジョン様ではありません。あの日、大事な話を忘れたと。本当は、違うのでしょう?」
ヘ・スが言うと、ワン・ソ皇子は微笑みながらヘ・スに顔を近づけました。
「そなたを、愛している。」
ワン・ソが言うと、ヘ・スはワン・ソに口づけをしました。
「次からは忘れないでください。」
ヘ・スは言いました。
ワン・ソはヘ・スの腰を引き寄せ頬をなぞり、ゆっくりと唇を寄せました。ヘ・スもまたワン・ソの背中に手を回しました。
ペガは緑繁る林を散策し、ウヒのことを思い出していました。ペガ(王郁)が振り返ると姫の服を来たウヒが現れました。ペガは思わず目を背けてしまいました。
「夢じゃ・・・ないのか?」
「ずっと、考えていた。私が斬った傷が癒えねばよいと。だから、私を忘れぬようにと。」
ウヒが言うと、ペガはウヒを抱き寄せました。
「会ったらそなたがつらいと思っていた。」
王旭(ワン・ウク)の部屋。
ワン・ウォンは王尭(ワン・ヨ)を王旭(ワン・ウク)に引き合わせました。
「久しぶりだな。ウク。ウォンに命じて茶美園の湯に水銀を入れたそうだな。賢い奴が裏切るとは恐ろしい。」
ワン・ヨはウクに言いました。
「私は義理堅いのでヨ兄上を無視できなかった。」
ワン・ウォンは言いました。
「私にたくさん話がありそうですね。」
脅された王旭(ワン・ウク)はワン・ヨに言いました。
「無論だ。夜通し話しても足りぬくらいだ。」
ワン・ヨは有利に立ちました。
ある日の皇宮。
王尭(ワン・ヨ)はワン・ウォンとともに兵を率いて御所を襲いました。女官たちは悲鳴を上げて逃げました。
「皇帝を捜せ。早く!」
湯舟。
恵宗(ヘジョン)は朦朧としながら湯から上がると血を吐きました。見守っていたヘ・スは兵士に取り押さえられました。湯部屋にワン・ヨとワン・ウョンが現れました。
「助けてくれ。」
恵宗(ヘジョン)はワン・ヨにすがりました。
ワン・ヨは恵宗(ヘジョン)を湯に落としました。
「陛下!陛下をお助けください!どうか!」
ヘ・スの叫びも虚しく恵宗(ヘジョン)は湯舟に沈みました。
ワン・ヨは冷たく兄の死を見つめていました。
そこにワン・ソがジモンとともに乗り込んで来ました。
「貴様ーーーー!!!!」
ソは周りにいた兵を斬り殺しました。
「やめよ!」
ワン・ヨは兵士に命じました。
「陛下。陛下。ムよ。目を開けてくれムよーーー!ムよ!」
ジモンは湯に入り恵宗(ヘジョン)の名を息子のように呼んで泣きました。
「わたしではない。毒にやられて死にかけていた。このヘ・スが湯に水銀を混ぜていたのだ。」
ワン・ヨは言いました。
「これま陛下のお世話をしていたのはお前だけだ。湯から水銀が出たとはどういうことだ。」
ワン・ウォンは意地悪くヘ・スに言いました。
「どちらか選べ兄上に忠誠を誓ってこの子と一緒に死ぬか、私を認めて、この子と去るか。無論、毒殺の容疑は消えぬ。いつでも、必要な時にこの子を皇帝殺害の罪で殺せる。選べ。ヘ・スか、死んだ皇帝か。」
ワン・ヨがソに言うと、ワン・ソはヨに襲い掛かりました。
感想
麗<レイ>14話の感想です。王旭(ワン・ウク)は何だか様子がおかしくなってしまいましたね。ひねくれたというか、主人公のヘ・ス(コ・ハジン)を手に入れられなくなって本来の悪い自分が出てきたというか、こうなってしまうとヘ・ミョンお姉さまに対しては女性というより、やはりどうでもよかったというか、愛があったというより男としての義務を果たしただけのように思われますね。王旭(ワン・ウク)は13話と14話で表がえったのにコロッとまた裏返って恵宗(ヘジョン)の忠臣を演じていましたし、恵宗(ヘジョン)の湯舟に水銀を入れさせて(ワン・ウォンが入れた)、そのウァン・ウォン(王位)は誰の味方になったかというと、ワン・ヨの味方になるんですね。ワン・ジョンはいつの間にか将軍に昇格していたようです。ヘ・スと親しいワン・ジョンは兄の帰還を知りましたが、今回の乱には加わっておらず真相は知らないみたいですね。
恵宗(ヘジョン)はもうちょっとたくましく演じてくれるとおもったのに、あれでは暴君ですね。
ワン・ヨ、王旭(ワン・ウク)、ワン・ジョンがひとつの悪党のグループとなったようです。
そしてヘ・スとワン・ソの味方は王郁(ワン・ウク)とウヒ、使用人のチェリョンと、ワン・ウンとその妻のパク・スンドク。この辺りでしょうか。
グレーゾーンというか、立場が明確でないのはワン・ウォン皇子ですね。
なんだかおもしろくなってきました。続きが楽しみです。