ミストレス最終回16話「女たち」~愛に惑う女たち~
あらすじ
「兄貴!兄貴!」
警察署のロビーで後輩の刑事がパク・デス刑事を呼び止めました。
「ハン・サンフンさんのスマホの位置追跡は?」
パク・デス刑事は後輩に尋ねました。
「子どもの幼稚園でした。ところが、その幼稚園にチャン・セヨンが現れたそうです。」
「チャン・セヨン?チャン・セヨンがどうして?一体どうなってるんだ?動画のIPアドレスは?」
「それが、中国からのようです。」
「はっ。わけわからん。」
パク・デスは頭を掻きました。
夜の廃ビル。
セヨンとウンスとファヨンとジョンウォンは廃ビルに着き、中に入りました。4人は懐中電灯を手に持ちハン・サンフンが繋がれていたフロアを目にしました。
「ここに違いないわ。手分けして捜そう。」
ファヨンは皆に言いました。
セヨンはジョンウォンと一緒に行きました。
ファヨンはウンスとともにハン・サンフンを捜しました。
セヨンとジョンウォンは赤いカーペットと燭台のある部屋に入りました。
「セヨンナ。」
ジョンウォンはビルの塀の外に停めてある車を見つけました。
「ちょっと・・・2人に連絡して。」
セヨンもセダン(※ キム・ヨンデの車)を見て驚きました。
ファヨンのスマホにセヨンから連絡が入りました。
「おおセヨンナ。本当?わかったわ。ウンスや!」
ファヨンはウンスに声を掛けました。
突然横の部屋から手が出て来てファヨンは引き込まれました。
階段。
「あなたは警察に連絡して。」
セヨンはジョンウォンに言いました。
「え?何でよ。捕まるわ。」
ジョンウォンは首をかしげました。
「警察はサンフンさんの動画も見たはずよ。」
「それでも無実をどうやって証明できるというのよ。」
「危険だから車に戻って。」
「ダメよ。行くわ。」
「妊娠中だから何かあったらどうするの。」
「知ってたのね。」
「当然よ。あなたが何があったか言うまで黙ってたの。戻って。わかった?」
「いいえ。一緒に行く。一人じゃダメ。」
「上に行きましょう。」
上の階。
セヨンとジョンウォンは一緒に建物を探っていました。
ジョンウォンのスマホにウンスのスマホから電話がかかってきました。
「ウンス?どうしたの?」
ジョンウォンはウンスの電話に出ましたが返事がありませんでした。
セヨンは縛られてテープで口をふさがれているウンスを見つけて駆け寄りました。
その時スマホが落ちる音がしてセヨンは廊下に戻りました。
廊下。
「アイゴー(まったく)、草みたいな女どもだな。踏まれたなら折れちまえよ。」
キム・ヨンデはジョンウォンの首を腕で抑えながらセヨンに言いました。
「彼女を放して。」
「放してやる。もちろん、この前の続きをやれよ。飛び降りろ。そうしないとあんたの友達が死ぬぞ。ああ。イェリンもな。さっき山に埋められて死んじまう奴みたいになるぞ。早く行けば生きてるかも。とにかくここから飛び降りろ。どうした。判断がつかないなら手伝ってやろうか?今頃病院に着いたはずだ。ああ、サンヒのお母さん。イェリンの部屋か?マラティオンの致死量は・・・・。」
「やめろ!」
セヨンはキム・ヨンデに吠えました。
「やっていいぞ。」
キム・ヨンデはパク・ジョンシムに言いました。
「やめろと言っている!」
セヨンは涙を流して叫びました。
「ちょっと待て。吐き出させろ。」
キム・ヨンデはパク・ジョンシムに命じました。
「私が死ぬから。私が死んだら十分でしょ。私が死ねばみんな助かるわ。」
セヨンは言いました。
「ダメよセヨン。」
ジョンウォンは言いました。
「無論。そのカネでイェリンを助けてやる。」
キム・ヨンデは言いました。
「ダメよセヨン。信じてはダメ。セヨンナ!セヨンナ!」
ジョンウォンは大きな声を出しました。
セヨンが駆け出すと、キム・ヨンデはジョンウォンを振り倒してセヨンを追いかけました。
セヨンは窓枠の無い窓際まで行くと、落ちていた金属の板を振り上げキム・ヨンデを叩きました。
「かわいいことをしてくれるじゃネェか。お?死ねよスグに!クソッ!」
キム・ヨンデはセヨンともみ合いになり、セヨンを殴り返して首を締めました。
「ああ・・・。」
セヨンの意識が朦朧としてきました。
「止まれ!止まれ!サンヒのお父さん!」
パク・ジョンシムが現れキム・ヨンデに怒鳴りました。
「ここにお前は何しに来た。お前の代わりにこの女を殺しているところだ。」
キム・ヨンデは後ろを振り返ってパク・ジョンシムに言いました。
「もうどうでもいい。あなたが私を利用していたとしても、もういいわ。」
パク・ジョンシムはキム・ヨンデに言いました。
「お前もか。どいつもこいつもオレに逆らいやがって。」
キム・ヨンデは言いました。
「でも、子どもたちは違う。ギョンヒンを農薬で殺したのが本当なら・・・。」
パク・ジョンシムは言いました。
「わ~。うぇいうぇいうぇい!クソっ!!!黙れ!」
キム・ヨンデは奇声を上げました。
「本当なら、あなたを絶対に許せない!」
パク・ジョンシムは言いました。
「許せないだろ?お前何様だ!!!10年前お前に飯を食わせてやったカネは、ギョンヒの保険金だ。それのどこが許せないんだよ?ジョンシム。障がい者のガキが犠牲になったおかげで贅沢できただろーーー!!!」
キム・ヨンデは叫びました。
「わ~!うぇ~!」
パク・ジョンシムも怒りの声で叫び返しました。
キム・ヨンデは動こうとしたセヨンを押し倒しました。
「私がこの女たちの話を聞いたわ。」
パク・ジョンシムはキム・ヨンデに言いました。
「どんな話だ?」
キム・ヨンデは言いました。
「ハン・サンフンが動画を警察に送ったそうよ。あんたは終わりよ!」
パク・ジョンシムは言いました。
「あ?オレが奴を監禁したって?証拠は無いぞ?このビルを燃やせば、セヨンが奴を殺してオレに罪を着せたと言えば問題ない。すべてうまくいく。お?」
キム・ヨンデはパク・ジョンシムに近寄りました。
「そう。だったら私がやる。私が証拠になる。私があんたの悪事を暴いてやる!」
パク・ジョンシムは走って逃げようとしました。
キム・ヨンデは素早い動きでパク・ジョンシムに追い付くと、彼女を叩いて倒しました。
「オレを裏切るのか?オレを裏切るのか?あ~!!!カネを稼いで何が悪い。オレの邪魔するな!!!あ~!証拠を消す方法を教えてやる。」
キム・ヨンデはパク・ジョンシムを壁に叩きつけると金属パイプを手に持ちました。
キム・ヨンデがパク・ジョンシムを殴り殺そうとした時にセヨンが現れ悲鳴を上げながらキム・ヨンデを勢いよく窓から突き落としました。
「あ・・・・・・。」
パク・ジョンシムは痛む体を起こして窓の下を見に行きました。
窓の下を見たパク・ジョンシムは恐ろしくなって尻餅をつきました。
セヨンは怖い表情でパク・ジョンシムを見ました。パク・ジョンシムはその場から逃げ出しました。
「セヨンナ!ああセヨンナ!大丈夫?セヨンナ~。」
ジョンウォンが現れセヨンを抱き締めました。
廃ビルの前。
セヨンたち4人は地面に落ちているキム・ヨンデを見に行きました。
「死んだのね・・・・。」
ジョンウォンは怯えた様子で言いました。
回想シーン。
「山奥に埋めて来た奴みたいに、早く行けばまだ間に合うかもしれないぞ・・・。」
キム・ヨンデがハン・サンフンについて言っていたことをセヨンは思い出しました。
「サンフンさんを、サンフンさんを捜さなきゃ。」
セヨンは言いました。
山奥。
セヨンたちはスコップと懐中電灯を持ってハン・サンフンを捜しました。
「私・・・ちょっとおトイレ。きゃっ。きゃ~。」
ジョンウォンが3人から離れると、ジョンウォンが脚をとられて悲鳴を上げました。
「ジョンウォンナ!」
「セヨンナ・・・。」
ジョンウォンは地面にふくらはぎまで埋まった自分の片足を示しました。
セヨンたちはその場をスコップで掘りました。
「音がしたわ。」
セヨンは言いました。
「何の音?」
ファヨンは言いました。
「怖いわ・・・。」
ジョンウォンはか細い声で言いました。
「きゃ~!きゃ~!」
何かが羽ばたく音がしてセヨンたちは悲鳴を上げました。
「きゃ~!きゃ~!きゃ~!」
セヨンたちは顔にビニール袋をかぶせられているハン・サンフンを見て悲鳴を上げました。
「セヨンさんには全部嘘と思えても、私の気持ちは本物です。すみません。すみませんセヨンさん。」
(ハン・サンフンの声)
「ああ・・・・ああ・・・・あ~。あ~。」
セヨンは泣きながらハン・サンフンの身体を掘り出しました。
廃ビルの中。
一人分の棺の中に、セヨンたちはキム・ヨンデの遺体を入れました。
「どうすれば?」
「どうするの?」
女友達はセヨンに尋ねました。
「もう帰って。私が殺したの。」
セヨンは言いました。
「ダメ・・・。」
ジョンウォンは言いました。
「正当防衛だから大丈夫。」
セヨンは言いました。
「あの男に殴られてたのはあなたじゃないわ。なら、正当防衛にはならないわ。」
ファヨンは言いました。キム・ヨンデがあの場で殺そうとしていたのはパク・ジョンシムでした。
「だったら嘘つこう。セヨンが襲われて突き落としたと言えば・・・。」
ジョンウォンは言いました。
「うそ発見器でバレない自信は?」
ファヨンはジョンウォンに言いました。
「・・・・・・。」
セヨンはうつむきました。
「こいつの身体に私たちの指紋がついてるわ。なら、私たちも共犯として捕まる可能性が高い。」
ファヨンは言いました。
「そう、そうね。」
ウンスも同意しました。
「とにかくあなたたちは帰って。私が責任とるから。」
セヨンは言いました。
「イェリンのことは考えた?詐欺に殺人と死体遺棄の罪が加わればイェリンはどうなるか・・・。」
ウンスはセヨンに言いました。
「・・・・・・。」
セヨンは動揺しました。
「セヨンナ。どのみち共犯だわ。あなたの罪を、一緒に背負う。」
ファヨンはセヨンの手を取りました。
ウンスとジョンウォンもセヨンの手を握りました。
パク・ジョンシムは4人を監視していました。
サンヒのいるベッド。
サンヒは寝る前の挨拶にパク・ジョンシムに電話しました。
廃ビル。
「必要な物を揃えましょう。私はウンスと買い物に行くから二人は準備をお願い。」
セヨンは言いました。
そこにスマホのベルが鳴りました。
セヨンたちは一斉に部屋の中央を見ました。
「私が取ってくる。」
セヨンはそう言うとゆっくりとキム・ヨンデに近づきました。3人も一緒に行きました。セヨンはキム・ヨンデの身体からスマホを抜き取りました。
「妻(パク・ジョンシム)。」
スマホの発信元には妻と示されていました。
廃ビルの外。
パク・ジョンシムは買い物から戻って来たセヨンを見張っていました。
「店でいろいろ聞かれたわ。あなたは大丈夫だった?」
ウンスは自分の車から降りるとセヨンに言いました。
「いいえ。私も同じよ。」
セヨンは答えました。
「セヨン!死体が消えた!」
「死体が無いのよ!」
ファヨンとジョンウォンは悲鳴を上げながらウンスの車に駆け寄りました。
「どういうこと?」
セヨンとウンスの表情にも緊張が走りました。
パク・ジョンシムはその声を聴いて廃ビルの上の階から橋を見てキム・ヨンデが逃げる姿を見つけました。
山。
「あ~。はぁ。はぁ。はぁ。あっ。
キム・ヨンデは折れた脚を引きずりながら歩いていました。キム・ヨンデは仰向けに倒れました。キム・ヨンデは遠くからこちらへ近寄ってくる女の姿を見て慌てて水辺に逃げました。
「サンヒアッパ。」
パク・ジョンシムはキム・ヨンデに声を掛けました。
「ジョンシム。ジョンシム。」
キム・ヨンデは少し安心したように緊張を緩めました。
パク・ジョンシムは大きな岩を抱えてキム・ヨンデを殴りました。
キム・ヨンデには川に転がりました。
パク・ジョンシムはキム・ヨンデの頭を水の中に押し込みました。
「キム・ヨンデ・・・死ねキム・ヨンデ。死ね。」
パク・ジョンシムはキム・ヨンデを殺しました。ジョンシムの手を掴むキム・ヨンデの手から力が抜けて行きました。
「死ねーーーーーーーーーーー!!!!」
パク・ジョンシムが帰ろうとすると水中からキム・ヨンデが起き上がり、パク・ジョンシムの首を思い切り締めました。
パク・ジョンシムは死んでしまいました。
「ああ。腹減った。はぁ。はぁ。はぁ。」
キム・ヨンデは油断しました。
パク・ジョンシムは再び岩でキム・ヨンデを殴りました。
「サンヒや。ごめんね・・・・・・。」
パク・ジョンシムは逃走しました。
山奥。
セヨンとウンスは川辺でキム・ヨンデの死体を見つけました。その様子を木の間からパク・ジョンシムが見ていました。
パトカーのサイレンの音がして、セヨンとウンスは廃ビルに戻りました。
パク・ジョンシムは身を隠しながらセヨンを追いかけました。
廃ビルの死体のある部屋。
セヨンたち4人の女は警察官の質問を受けていました。
その様子をパク・ジョンシムは壁の角から隠れて見ていました。
「パク巡査長。何か落ちています。」
部下の警察官が言いました。
パク・ジョンシムは警察官の気を逸らそうと外に置かれているパトカーの窓ガラスに石を投げて割りました。パトカーの警報機が鳴り、二人の警察官は車のところに向かって駆けだしました。
「我々の車か?アイゴー。誰にやられた。新車なのに。」
パク巡査長は悔しがりました。
「パク巡査長。あれを見てください!」
部下はライトで茂みを照らしました。
「乗れ!」
警察官はサイレンを鳴らして走る人影(パク・ジョンシム)を追いかけました。
ウンスの車。
セヨンたちは男をトランクに乗せました。
「どうするの?」
ファヨンは言いました。
「このままにしておきましょ。」
ジョンウォンは言いました。
「海に捨てよう。埋めるより確実だわ。」
ウンスは言いました。
「そうしよう。」
セヨンも言いました。
海岸。
セヨンたちはウンスの車で海岸に行きました。
セヨンは車のトランクを開けると男が横たわっていました。
「早く出そう。」
セヨンたちは男を運ぼうとして車が来たので再びトランクを締めました。
パク・ジョンシムの車でした。
パク・ジョンシムはふらつく足で、車から降りセヨンに会いました。
セヨンたちはパク・ジョンシムを見て驚きました。
「もしもし。警察ですか?人が殺されました。私です。私が殺しました。」
パク・ジョンシムは警察署に電話しました。
「さっきの二人の警察官は、イェリンのお母さんに気が付いて廃ビルに戻って行ったわ。このままではイェリンのお母さんが犯人になる。」
パク・ジョンシムはセヨンに言いました。
セヨンはゆっくりとパク・ジョンシムに近づきました。
「それはどういことなの?」
セヨンはパク・ジョンシムに言いました。
「言ったでしょ。私が殺したと。はぁ・・・。ごめんなさい。本当にごめんなさい。」
パク・ジョンシムの頬から雫がこぼれ落ちました。
「何言ってるの?」
セヨンは目を丸くして驚き、事態を察しました。
「ごめんなさい。ごめんなさい。本当にごめんなさい。イェリンを・・・ごめんなさい。ごめんなさい。本当に・・・ごめんなさい。」
パク・ジョンシムはすすり泣きながら、何度もセヨンに謝りました。
夜が明けました。
山奥にキム・ヨンデの遺体がありました。
パク・ジョンシムはパク・デス刑事からの質問に答え、その場で逮捕されました。
セヨンたちは連行されるパク・ジョンシムと目が合いました。
「罪はすべて私が負います。あなたはイェリンの病気を治してあげて。それから、ずうずうしいお願いがあるけど、どうか・・・私のサンヒを・・・。サンヒをときどき見てやってください。お願いです。」
パク・ジョンシムの目がセヨンに訴えかけていました。パク・ジョンシムは逮捕前にこうセヨンに頼んでいました。
パク・ジョンシムを乗せたパトカーが出発しました。
1年後。
セヨンの部屋。
「お母さん。遅れちゃう。」
幼い女の子が走って急いでいました。
「わかったわ。すぐ行くわ。準備できた?」
セヨンは白いコートを羽織っていました。
アパートの前。
「イェリンナ!先生の・・・。」
セヨンはイェリンに忘れ物の青い袋を渡しました。
「先生の話を聞いてみんなと仲良くする・・・。」
イェリンは母に何度も言われた言葉をセヨンに言いました。
「そうよ。お母さん迎えに行くからね。」
セヨンはイェリンを撫でて見送りました。
「イェリンナ。早く!」
アヨンはイェリンを呼びました。
「うんわかった~。」
イェリンはアヨンのもとに駆けだしました。
「アヨンも遅れたのね。」
セヨンは呟きました。
回想シーン。
「アヨンも乗れなかったの?」
セヨンはアヨンを抱いているハン・サンフンに言いました。
「またね~。」
アヨンはセヨンと一緒に行こうとするイェリンに言いました。
「あの!ちょっと待ってください。私が送ります。」
ハン・サンフンはセヨンに言いました。
イェリンとアヨンは手を繋いで学校に行きました。
刑務所。
ソン・チャンヒョンにウンスが会いに行きました。
「元気そうね。」
ウンスはソン・チャンヒョンに言いました。
「もうあきらめたよ。」
ソン・チャンヒョンは言いました。
「二つ聞きたいことがあるの。」
「まだ俺に話があったのか。」
「はじめにカン・テオだけど。どうしてカン・テオの妻が浮気を疑ってると知ってたの?」
「はっ。ジェヒはジン・ヘリムの嫉妬をバカにしてた。夫の車の中から下着を見つけたという話を、ソミに教えてやった。次の質問は?」
「ジェヒを・・・どうして殺したの?どうやって殺したの?」
「何を、言ってるんだ。」
「ジェヒが殺された時、ファン・ドンソクさんにはアリバイがあったわ。だからジェヒを殺したのは不倫相手じゃない。なのにソン・チャンヒョンさんは言ってることを撤回しない。それでチャンヒョンさんの病歴を調べたらわかったわ。十年前にリプリー症候群の病歴があった(自分の嘘が本当と思い込む反社会性人格障害)。ジェヒを殺してから再発したのね。あなたは裁判官とお母さんに嘘をついた。ジェヒを殺したのは不倫相手だと。裁判官と違ってお母さんは息子の言葉を信じた。その言葉でお母さんは人を殺した末に殺されてしまった。チャンヒョンさんはそれで罪悪感が増えてさらに嘘に固執した。俺は殺してない。チェヒを殺したのは不倫相手だと。」
「・・・・・・俺は殺してない。俺は、殺してない。」
「そう。あなたの嘘が、あなたのお母さんと何の罪もないチャ・ミンジェ先生の命を奪った。」
「いや。違う。違う違う。違う。」
高級住宅街。
「そっちに向かうところよ。ちょっと待ってて。」
赤ん坊を抱いたジョンウォンは車に乗ろうとドアを開けました。そこにファン・ドンソクが現れました。
韓国式サウナ。
「浮かない顔ね。どこに行ってたの?」
セヨンは腕を組んで難しい表情をしているウンスに尋ねました。
「大したことじゃないわ。」
ウンスはごまかそうとしました。
「これでも相談員の勉強中よ。」
セヨンはわかっているという様子で言いました。
「どうなの?たいへんそうじゃない?」
ウンスはうまく話をはぐらかし、ソン・チャンヒョンのことについては胸に秘めておくことにしました。
「人の話を聞くのは慣れてるから。でも私が移住労働者の役に立つかどうか心配ね。」
セヨンはジョンシムとの出会いで貧しい外国人労働者の気持ちがわかるようになっていました。
セヨンはジョンシムとの出会いで貧しい外国人労働者の気持ちがわかるようになっていました。
「文化や国籍が違っても同じ人間と思えばいいわ。特に働く女性の悩みは私たちと変わらないわ。」
ウンスはセヨンの気持ちを察したように言いました。
ウンスはセヨンの気持ちを察したように言いました。
「さすが精神科医ね。」
セヨンはウンスに言いました
セヨンはウンスに言いました
サウナの化粧室。
「いい匂いだわ。」
セヨンはバスローブを着たまま備え付けのローションを顔に塗り終えました。
「そうだ。ファヨンは?」
ウンスは尋ねました。
「ああ、スマホストアに寄ってくるって。」
セヨンは答えました。
セヨンは答えました。
「また壊れたのかな?は~。まったく。(あの子らしいわ。)」
ウンスは呟きました。
ウンスは呟きました。
マンション下のベンチ。
「久しぶりだな。最近"独身男のキッチン"というシングルのためのインターネットTVに出てる。視聴者も多い。」
ファン・ドンソクはジョンウォンに言いました。
「ドンソクさんは、どんな状況でもチャンスに変えられるから。なのにどうして私に会いに来たの?」
ジョンウォンが言うと、ドンソクは封筒をジョンウォンに渡しました。
「父親が誰か知りたいかと思って。」
ファン・ドンソクは言いました。
「そんなこと、知らなくていいわ。」
「大きくなったら父親に似てくるだろ。そうすれば誰が父親かわかる。」
「もう用が済んだみたいだから帰るわ。」
「ジョンウォンナ。」
「・・・・・・。」
「これ・・・。最後だから受け取ってくれ。」
ファン・ドンソクはジョンウォンと一緒に買った赤ん坊をあやすおもちゃを渡しました。
「子どもは私に似るはずよ。私がそう育てるから。さようなら。」
ジョンウォンは微笑みました。
「・・・・・・ああ。」
ファン・ドンソクは納得しました。
スマホの販売店。
「この色はどうですか?お似合いですよ。」
男性の店員は黄色い服を着ているファヨンに言いました。
「お~。きれいな赤ね。これください。」
ファヨンは赤いスマホを手に取りました。
「はい。在庫を準備してきます。」
店員がその場を離れました。
ファヨンはカン・テオがこちらを見ていることに気が付きました。おなかがおおきくなった妻は幸せそうにカン・テオの腕に自分の腕を絡めました。
カフェ・ブラウン。
「それで?」
ウンスはファヨンに聞きました。
「それだけよ。スマホも男も新しいほうがいいわ。」
ファヨンは言いました。
「最近男と遊んでないでしょ。」
ウンスはファヨンに言いました。
「は~。恋愛が面白くなくて。変化が必要ね。外国人はどう?年下の男は?」
ファヨンは言いました。
「話が合わないでしょ。」
セヨンは笑いました。
ウンスのスマホに連絡が入りました。
「お元気ですか?私は元気です。」
ウンスはチャ・ソンホからのメールを見てにやけました。
「誰なの?」
「彼氏?」
「違うわよ。」
ウンスはスマホの電源を切りました。
「あ~水。」
ジョンウォンが赤ん坊を抱いてカフェに来ました。
セヨンは水をジョンウォンに渡しました。
「あ~生き返った。」
「何かあったの?」
ウンスはジョンウォンに言いました。
「喉が渇いただけよ。他に理由ある?」
ジョンウォンは隠そうとしました。
「そろそろ中に入ろう。みんな待ってるわ。」
セヨンはみんなを部屋の中へ要りました。
カフェの中ではパーティーを開いていました。
赤ん坊を抱いたジョンウォンは男性二人と一緒に写真を撮りました。
ジョンウォンの子どもとアヨン、サンヒ、そしてイェリンが「HAPPY100TH DAY」と書かれた垂れ幕の前に座り、写真を撮ってもらいました。
4人の女友達はジョンウォンの子どもを中心にカメラの前に並びました。
「待って。ファヨンさん。セヨンんさんのほうに寄ってくれる?」
ハン・サンフンはカメラを構えながら言いました。
回想シーン。
セヨンが埋まってるハン・サンフンを見て泣き崩れる場面。
土の中に埋もれているビニール袋が膨らみました。
「ファヨンさん。少し寄ってください。セヨンさんが写らないから。」
ハン・サンフンは言いました。
「大丈夫よ。」
風船に顔が隠れていたセヨンは遠慮しました。
「わかったわ。セヨン。こうしよう。」
ジョンウォンとファヨンとウンスは横を向いて重なりました。
「ほら、完璧だ。さあ、撮りますよ。美女のみなさん。笑ってください。」
ハン・サンフンはファインダーをのぞき込みました。
その時セヨンのスマホのベルが鳴りました。
「もしもし。・・・・。」
セヨンは電話に出ました。
「誰なの?」
「誰でもない。」
セヨンの向かいの空きテナント。
「ここは、1年前から空いてますけど、インテリアを変えればすぐ開店できます。どうですか?契約を・・・。」
不動産屋のおじさんは黒服の若くて髪が短く、サングラスをかけている女性に説明していました。
「契約します。いい街ですね。素敵なカフェもあるし・・・。」
「(不動産屋に)戻りますか?」
「お店を見て来ます。」
「そうですか。ではまた後で。」
おじさんが去ると、女性はサングラスを外して空き店舗のドアを開け中に入りました。
感想
韓国ドラマ「ミストレス最終回16話」の感想です。迫力の最終回でした!韓ドラといえば終盤になると手抜きというか、やる気を使い果たしたみたいなダラけた話になってくるのですが、このドラマは最後まで派手に盛り上がってましたね。この最終回で一番の主人公といえば、やはりパク・ジョンシム以外にいないでしょう。パク・ジョンシムの演技が主役を超える渾身の好演で、まさかのどんでん返し・・・といいますか、このドラマの演出では1話からセヨンたち4人が男を殺して犯罪者になったかのようになっていましたので、うまく視聴者を騙せたなと思います。セヨンたち主人公が無実になると想像できた人はまずほとんどいなかったのではないでしょうか?
最終回ではキム・ヨンデはしぶとく生きているという・・・アメコミみたいな展開で、もう一回くらいセヨンたちに襲い掛かったほうがもっとホラーになったのではと・・・思いました。パク・ジョンシムがキム・ヨンデを殺してセヨンにサンヒを守ってもらおうという行動に出たのは一種の懸けであったとも思えます。どのみちキム・ヨンデはサンヒも殺すことがわかっていたので、セヨンにキム・ヨンデが殺せないなら自分が・・・と。話を一言で表すと、悪鬼のような男をか弱い淑女たちが戦って倒したという感じになりますね。
セヨンたちはいったん海岸に運んだキム・ヨンデの遺体をパク・ジョンシムがキム・ヨンデを殺した場所に戻して、夜が明けてパク・ジョンシムがお縄になったという経緯が想像できます。その間の出来事は女性たちの秘密になり、セヨンがキム・ヨンデを突き落としたことも秘密のままになったのかもしれません。生きていたハン・サンフンも証人となったのでしょうが、キム・ヨンデは「証拠が無い」と言ってましたので・・・キム・ヨンデの悪事はパク・ジョンシムらの証言だけの証拠しかなく物証が無いとも言えます。
詳しい感想はまた別のページにまとめて綴りたいと思います。
最終回ではキム・ヨンデはしぶとく生きているという・・・アメコミみたいな展開で、もう一回くらいセヨンたちに襲い掛かったほうがもっとホラーになったのではと・・・思いました。パク・ジョンシムがキム・ヨンデを殺してセヨンにサンヒを守ってもらおうという行動に出たのは一種の懸けであったとも思えます。どのみちキム・ヨンデはサンヒも殺すことがわかっていたので、セヨンにキム・ヨンデが殺せないなら自分が・・・と。話を一言で表すと、悪鬼のような男をか弱い淑女たちが戦って倒したという感じになりますね。
セヨンたちはいったん海岸に運んだキム・ヨンデの遺体をパク・ジョンシムがキム・ヨンデを殺した場所に戻して、夜が明けてパク・ジョンシムがお縄になったという経緯が想像できます。その間の出来事は女性たちの秘密になり、セヨンがキム・ヨンデを突き落としたことも秘密のままになったのかもしれません。生きていたハン・サンフンも証人となったのでしょうが、キム・ヨンデは「証拠が無い」と言ってましたので・・・キム・ヨンデの悪事はパク・ジョンシムらの証言だけの証拠しかなく物証が無いとも言えます。
詳しい感想はまた別のページにまとめて綴りたいと思います。