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ミストレス全話あらすじと感想(1話~最終回)미스트리스 ハン・ガイン主演の韓国ドラマ


ミストレス~愛に惑う女たち~

2018年の10月に日本のBSおよびAmazon Prime Videoで放送された韓国ドラマ「ミストレス(韓国語: 미스트리스, 英語: Mistress)」のあらすじ解説とサスペンスの詳しいネタバレを視聴者の視点で行っていきたいと思います。ミストレスは2018年の4月28日から6月13日まで韓国で放送された現代劇(サスペンス)です。大体がスリリングで刺激的な内容になっているので、夜中に一人で見ると、とても怖かったです。このドラマの主人公は4人の働き盛り、子育て適齢期の30代の女性(淑女)です。女性たちはドラマの中で、男(愛人)をめぐる恐ろしい事件に巻き込まれていきます。ミストレスは英語で「mistress(愛人)」という意味です。彼女たちにはそれぞれ男(愛人)がいます。

目次

概要

このドラマは2008年から2010年まで放送されたイギリスの同名のドラマを原作としています。これを韓国の王道のミステリードラマにしたものです。30代の女性が殺人事件に巻き込まれていく官能とミステリーのドラマです。最高視聴率は韓国で1.642%(最終回)です。

製作

タイトル ミストレス
放送期間 2018年4月28日から2018年6月13日
著作権 CJ E&M
演出 ハン・ジスン
脚本 コ・ジョンウン キム・ジンウク
ジャンル ロマンス ミステリー スリラー
出演者 ハン・ガイン グジェイ チェ・ヒソ シン・ヒョンビン

各話あらすじ

ミストレスの1話から最終回までのあらすじを詳しく、韓国語の原語になるべく忠実に(といっても初級未満のレベルですが)解説しています。正直いってあまり表現したくないバイオレンスな内容なので乗り気じゃなかったけど日本語での表現の幅を拡げるためにがんばりました・・・。

事件のカラクリ

最終回が終わったので詳しく解説しています。完全にネタバレしていますので、まだ見てない人は読まないようにしてください。

発端

2年前の2016年にある男が行方不明になりました。男の名前はキム・ヨンデ。主人公チャン・セヨンの夫です。次の事件は、高校教諭のチャ・ミンジェが何者かに殺されました。その年の最後に殺されたのはペク・ジェヒ。主人公たちの高校時代の同級生です。

保険金

キム・ヨンデが海上で行方不明になったことでチャン・セヨンに20億ウォンの保険金が入りました。

ペク・ジェヒの死の真相をめぐる動き

ペク・ジェヒの死がこのドラマで大きく関わっていました。既婚者のペク・ジェヒには不倫相手(愛人)がいました。既婚者のペク・ジェヒは事件前、妻子ある男と付き合っており、その男は誰かをめぐり、ドラマの中で騒動が生じます。

ペク・ジェヒの夫のソン・チャンヒョンとナ・ユンジョンはジェヒ殺しの犯人を見つけるために、それぞれ独自のルートでジェヒの愛人を捜していました。チャンヒョンはカン・テオをはじめに疑っていました。ナ・ユンジョンは最初にチャ・ミンジェを疑っていましたが、チャ・ミンジェの部屋にあった蝋燭はウンスが贈った物で見当違いでした。チャ・ミンジェと家で鉢合わせしたナ・ユンジョンは蝋燭を使ってチャ・ミンジェを殺して、凶器である蝋燭を持ち逃げしました。後でミンジェの家に来たウンスは自分が愛人とバレるのが怖くて家じゅうの指紋を拭きとり事件は暗礁に乗り上げました。ナ・ユンジョンはウンスの診察室からペク・ジェヒの録音テープを奪い「唇がオリーブの味がする」と言われたと恍惚と語るジェヒの声を聴いてジェヒの愛人がファン・ドンソクではないかと思います。ナ・ユンジョンはドンソクの店からローソクを持って帰ってブレスレットを確かめようとしましたが、ファン・ドンソクに取り返されてしまいます。そして、ナ・ユンジョンは何者かに殺されてしまいます。

不倫

このドラマのキーワードです。登場人物の性は割とオープンです。

やくざ・マフィア

やくざが関わってます。登場人物のソン・チャンヒョンおよびその母のナ・ユンジョンはやくざです。ハン・サンフンの手下の男も元やくざっぽい印象があります。そしてキム・ヨンデと中国人女を演じていたパク・ジョンシムも完全に女やくざです。

年賀状

ペク・ジェヒの字で書かれた「あなたとの一年」がどれだけ素晴らしかった年賀状です。チャ・ソンホがこのグリーティングカードを持っていて3話でこの年賀状をウンスに見せました。なぜチャ・ソンホがペク・ジェヒの年賀状を持っていたのか、最終回になっても伏線は回収されずに意味がわかりませんでした。もしかしたらペク・ジェヒはチャ・ミンジェとも不倫していた可能性もあり得ます。もしもペク・ジェヒの不倫相手がファン・ドンソク一人なら、2年前にドンソクから年賀状を盗んでチャ・ミンジェの家に置かないと筋が通りませんが、2年前は誰もドンソクとジェヒの不倫関係を知りませんでした。それにナ・ユンジョンがこの年賀状をドンソクから盗んでチャ・ミンジェの家に置く必要すらなかったのですし、先にドンソクの店から年賀状を盗んだのであればナ・ユンジョンはチャ・ミンジェを疑う必要がありません。

蝋燭(ロウソク)

ペク・ジェヒが営んでいた蝋燭工房で作られた蝋燭です。それぞれ容器の形が違います。ロウソクの底にはブレスレットが沈められており、ブレスレットにはロウソクを作った女性と好きな人のイニシャルが入っています。
  • ペク・ジェヒの蝋燭→ピンクのチェック柄 、円筒形の容器、イニシャルはJHとDS
  • キム・ウンスの蝋燭→橙色のライン柄、四角い容器、イニシャルはESとMJ
  • ハン・ジョンウォンの蝋燭→水色の波模様、円筒形の容器、おそらくイニシャルは自分とドンソクの名前
  • セヨンの蝋燭→無地→円筒形の容器、おそらくイニシャルは自分とキム・ヨンデの名前
  • ジン・ヘリムの蝋燭→黒で細かい模様→円筒形、おそらくイニシャルは自分とカン・テオの名前
  • ファヨンはキャラじゃないと言い蝋燭を作っていない
これらの蝋燭のうち、ウンスの蝋燭がチャ・ミンジェ殺人事件の凶器です。ファン・ドンソクはラスト手前でハン・ジョンウォンから貰った蝋燭、あるいはジェヒから貰った蝋燭を割ったと思われます。

キム・ヨンデと保険金

キム・ヨンデはセヨンを騙して結婚した詐欺師です。キム・ヨンデは自らが行方不明になることで何も知らないセヨンに保険金を受け取らせ、キム・ヨンデの本当の妻であるパク・ジョンシムに保険金を奪わせるように命じました。パク・ジョンシムは偶然を装いセヨンに近づきセヨンを翻弄し、ついにはヨンデが生きていることを知ったセヨンに、保険会社にバラすと脅迫します。キム・ヨンデはそうやって保険金を詐取する計画でした。

最終回のサングラスの謎の女

ラストでおかっぱの女が美容室があった店を借りに現れました。この女優さんは、イ・ハナといってラストで初登場しただけですので、このドラマの中には最後まで出て来ていません。

登場人物の解説(ネタバレ)

各登場人物について、完全にネタバレしていますので、まだドラマを見ていない人はほんとうに気を付けてください。

チャン・セヨン

主人公。2年前に夫のキム・ヨンデが船の事故で行方不明になり20億ウォンの保険金を受け取る。カフェ・ブラウンの社長。保険金には手を付けていないが、ハン・サンフンの部下にいくらか保険金をだまし取られる。冷静で芯が強い性格で仲良し4人組のリーダー。ハン・サンフンとパク・ジョンシムに付きまとわれる。

セヨンの店は、保険金で買ったものではなく、自力で営んでいるカフェです。セヨンがこのドラマで夫の保険金を使ったのは、ハン・サンフンの手下に騙された時と、キム・ヨンデとパク・ジョンシムに脅迫された時だけです。セヨンは夫が何の仕事をしているかもわかっておらず、しかも夫が行方不明になってもいつか戻ってくるのではないかと一縷の希望を抱いているありふれた未亡人のはずでした。セヨンがもしも繊細で感受性の高い女性だったら、そもそもこのような事件はおろか、キム・ヨンデにカモにされるはずがありません。つまり、セヨンは鈍感で観察力がなく、夫に無関心、教養が無いなどという悪条件が揃わないとこんな事態にはならないはずです。そういうことで、セヨンはあまり賢くないというキャラ設定が必要になってきます。

このドラマでセヨンというキャラで強調されているのは、典型的な韓国(朝鮮)人の母親像です。追い詰められても子どものために生き抜く強い母親像。これはまさに王道。そういうことで、セヨンに言い寄るハン・サンフンに誘惑されるも拒絶を続けてハン・サンフンの愛が確実なものか慎重に確かめるという演出も行われています。典型的な母親像を守り抜くために性表現は最小限に限定されています。

セヨンは廃ビルの中でパク・ジョンシムを殺そうとしていたキム・ヨンデをビルから突き落としました。キム・ヨンデはビルから落ちながらも逃走し、パク・ジョンシムに殺されました。そんなことも知らずに、気が動転していたセヨンたちは死体が移動していてもキム・ヨンデがそこまで逃げて息絶えたのだろうと思い込んで、キム・ヨンデを海に捨てようとします。セヨンが殺人未遂のうえに死体遺棄をしようとしていたところにパク・ジョンシムが現れセヨンの犯行を庇うのでした。

セヨンがハン・サンフンと結ばれたのかどうかといえば・・・生き返ったハン・サンフンは「セヨンさん」と呼んでいましたので、恋愛関係にあったとしても、結婚している仲ではなさそうです。

キム・ウンス

セヨンの高校時代の友人。精神科医。2年前かそれより前に、高校時代の先生チャ・ミンジェと不倫をしていた。おそらく独身。クールで勇敢な性格。仲良し4人組のナンバー2。チャ・ミンジェの息子チャ・ソンホに好かれる。セヨンと特に親しい。

キム・ウンスが主役として登場する場面は二つしかありません。ひとつは病院のウンス専用のオフィス兼診察室。もうひとつはウンスの所有する車の中です。彼女は生活感を感じさせない演出がなされており、基本的にクールですが、常に甘えた気持ちを人前で隠して我慢しているので、年上の既婚者、しかも恩師とデキてしまうといった、割とよく考えられたキャラ設定です。途中で愛人の息子のチャ・ミンジェにドキリとしてしまう場面もありますが、ウンスは子どもは相手にしない主義で常にソンホを突き放していました。

ウンスはセヨンを助けるために共犯になる覚悟を決めましたが、それは未遂に終わりました。

後日談でもウンスは未婚の独身のままのようです。ラストでウンスはチャ・ソンホのストレートな気持ちを受け入れます。受け入れるといっても彼氏にするという意味ではなく、心をそのままただそういうものだと受け入れる。ウンスはチャ・ソンホと恋人になるかどうかはわかりませんが、結婚することは無理なので、それでもソンホの正直な気持ちを突き返さずに「好きなんだね」とただ受け入れる。それが大人の女性の懐の広さであり、ソンホを突き放していた頃のウンスから成長しているといえましょう。説明は難しいのですが、ウンスがソンホを突き放すのは「もし私が彼を好きになったらどうしよう」という心配がそういう行動を引き起こしたのです。しかしその怯えた気持ちが最終回では「ソンホを恋人にすることは絶対にないという自信」に変わります。だからこそウンスはチャ・ソンホを見守れる女性に成長していたのです。チャ・ソンホもウンスが好きでそう簡単に忘れられないはずなのに、精神的に心乱れることなくウンスとコミュニケーションがとれるということは成長していた証です。好いた惚れたの世界から解脱したウンスでした。

ハン・ジョンウォン

セヨンの高校時代の友人。高校教師。既婚者。ファン・ドンソクは夫。クォン・ミンギュに接近され衝動的に関係を持ってしまい、その動画で脅される。感情的で精神的に弱い性格。ファヨンと特に親しい。

ハン・ジョンウォンは見た目、教師らしく威厳を放っていますが、実は大人になり切れていない甘ったれの女性です。しかしその子どもっぽい愚かさがこのドラマでは露骨な性表現を担う役割に繋がっています。精神的には20歳前後で大人としての分別がなく、夫の不倫にも気づかないという、鈍い一面も持っています。つまり人間を見抜く観察力が欠けており、社会規範を遵守する意識や思考力が基本的にありませんのでいつも教頭に管理されているおこちゃまなのです。幼稚な教師ですが、これは日本にも見られるパターンです。就職時から社会的身分が保証されているので就職以来、精神的な成長がなく世間ずれしており保護者などからの批判をされてもどこ吹く風。なぜジョンウォンが幼稚なのかは若くして苦労せず就職・結婚できたことに原因があります。

そんなジョンウォンは子どもを身籠ることで精神的に成長を果たします。ジョンウォンはダメ男とは縁を切って子どものためだけに生きていく決意を立て、ドンソクとも別れます。ジョンウォンは身籠っていながらもセヨンを助けるために駆け付け、共犯になる覚悟をしますが、それは未遂に終わり、無事に出産しました。

後日談で未練たらたらのドンソクがジョンウォンに会いに来てDNA検査の結果(彼女を釣るための餌)を渡そうとしましたがジョンウォンは自分に似るように育てるとドンソクの誘惑を一蹴します。おそらくはドンソクは「俺の子だから一緒になろう」または「奴の子でも俺が育ててやる」の二通りのパターンでジョンウォンに言い寄り罠にかけ支配する家族計画を立てていて彼女にマウンティングしたかったのでしょうが、ジョンウォンはもうそのパターンは大嫌いなので騙されませんでした。ジョンウォンはドンソクの純粋で善い気持ち(子どものおもちゃ)だけ受け取って別れました。つまり、ファン・ドンソクという男はジョンウォンを度々マウンティングしていることからも、愛情と支配の区別ができていないアホ男だと言えましょう。それを見抜いたジョンウォンはやっぱり偉いなと思います。ファン・ドンソクという男は本当にタチの悪い、卑怯な男です。

事件から1年後、ジョンウォンは高級アパートに引っ越していて、自立した生活を送っていました。

ト・ファヨン

セヨンの高校時代の友人。弁護士事務所の秘書。上司ヤン・ジンゴンのセフレ。独身。元カレで惜しい男、カン・テオと再会し、再び結ばれる。男遊びが激しい。サバサバした性格。

ファヨンは自分で自分の性格を「こんなキャラだ」と決めつけています。自由に恋愛をして、束縛を嫌い、オシャレな女でいたい。そして心から人を愛することは無いと。一番愛したカン・テオと再会するも、やはりテオの人生と今の自分の人生は結ばれないと思って別れます。愛した人と結婚するチャンスがあったのに、結婚できない寂しさを抱えつつも、自分で自分の生き方を決めている強い女性です。女性がこういう生き方を決めるにはかなりの覚悟と、そして愚かさも必要です。賢くない生き方とわかっていても、あえて愚かな選択をするのは強くなければできないことです。

ラストでファヨンもまた潔白のセヨンを助けるために駆け付け、どうしようもない状況で共犯になる決意をしますがパク・ジョンシムがすべてを負ったことで未遂に終わります。

1年後、ファヨンは男遊びに飽きて来て、幸せなカン・テオと妊娠しておなかが大きくなったテオの妻を見て、そろそろ年貢の納め時(※ 私の解釈です)を迎えていました。また遊ぶのか、子どもをもうけるのか・・・ファヨンにとっては分岐点で終わりました。

キム・ヨンデ

セヨンの夫。仕事内容はセヨンも知らない(実はずっと無職)。2年前の2016年に船舶の事故で行方不明。実は生きていました。しかも共犯者パク・ジョンシムとの間に二人の娘を作っていました。パク・ジョンシムにセヨンを脅迫して保険金を全部奪わせるよう命じました。

キム・ヨンデについて14話からさらに罪状が追加されます。キム・ヨンデはこんなに悪い大悪党なのだと。だからやられて当然なんだという感情を視聴者に植え付けます。韓国人が大好きな「復讐して当然」という大義名分が14話で付け加えられるのです。理由があったら敵を再起不能なまでに倒してよいという韓国(朝鮮)のお国柄とでもいいましょうか、しかも敵がぎゃふんと言ってるところを見ないと納得しないというところは中華圏の文化のお国でよくあるパターン。これがイギリスのドラマだったら「悪党にも事情があって・・・」と説明が加わったり、アメリカのドラマなら「バーン」されておしまい。このドラマのキム・ヨンデは怪人二十面相かというくらい、あれこれやってくれました。

最終回でキム・ヨンデはセヨンに死ねと命じたり、パク・ジョンシムにイェリンを殺せと命じたり、自分ではなにもせずに他人を使って犯罪を完成させようとしていました。しかし誰も「俺様」の命令に従わないのでキム・ヨンデはパク・ジョンシムを殺そうとしてセヨンに階上から突き落とされて重傷を負ってしまいます。結局キム・ヨンデは共犯のパク・ジョンシムに殺されてしまいました。

キム・ヨンデは実の父親と娘を殺し(もしかしたら祖母もかもしれませんが・・・)、姿を見られたナ・ユンジョンを殺して少なくとも3人殺してイェリンを女を使って殺させようとしていました。そしてセヨンに死ぬよう命じ、保険金を詐取し、カネのためならなんでもやる男。

ドラマでは死んで当然の悪い男として描かれていました。

ハン・サンフン

アヨンのパパ。セヨンのアパートの近くに住む。セヨンには営業マンを名乗る。前妻は亡くなったらしいが2年前に離婚したと嘘をつく。その正体は保険金詐欺の調査会社のチーム長でキム・ヨンデの共犯としてセヨンを疑っている(た)。元刑事。勝手にセヨンとナ・ユンジョンの家に忍び込む。

このドラマのハン・サンフンはインチキ臭い役回りです。ハン・サンフンが根っからの善人ではないことが描かれています。目的のためなら汚い手を打つことも厭わない性格なので、事件に絡んでくるのです。

ハン・サンフンが味方なのか悪い男なのか、終盤までは明らかになりません。

事件を追っていくうちにキム・ヨンデに捕まり、韓ドラおなじみの拷問を受けた挙句、生き埋めにされました。ハン・サンフンは死にそうな場面でセヨンへの愛を告白します(笑)当然、セヨンは命がかかっている状況での愛の告白を信じてハン・サンフンのことがもっと好きになりました。ハン・サンフンはセヨンと出会って妻子を捨てた男から、愛する女性と子どもを守るヒーローに変身しました(大爆笑)マヂに見ていた人には悪いですが、妻を捨てて娘も捨てようとしていた男が、美人のセヨンにほれ込んで命を懸けるなんて信じられると思いますか?とても滑稽な話です。

ラストでハン・サンフンは生き延びており、1年後の後日談にも登場します。1年後、ハン・サンフンはセヨンとは別々に暮らしていることがアヨンとイェリンの関係からわかります。二人は結婚しておらず、恋愛しているかどうかはわかりません。

ハン・サンフンは勝手にセヨンの家や店に忍び込んでいるほか、ナ・ユンジョンが殺された現場からジェヒのテープを盗んでいます。

チャ・ソンホ

チャ・ミンジェの息子。父の死の真相を調べにウンスに接近し、共に行動するうちに好意を持つようになる。たびたびウンスを助ける。犯人が憎い。結局、ウンスに振られた(あしらわれた)。ウンスと別れたチャ・ソンホは海外の自宅に戻ったような感じですが、事件から1年後にラブレターのようなメールを追ってウンスを口説いていました。

チャ・ソンホがなぜペク・ジェヒの手紙を持っていたのか意味がわかりませんでした。

クォン・ミンギュ

ジョンウォンを誘惑して落とし、高校の駐車場、車で彼女とねんごろな関係を結ぶ。性欲たっぷりの高校の教師。ジョンウォンの教室の副担任。子悪党のガキ。結局ジョンウォンに振られ、それきり出演していません。

ファン・ドンソク

ジョンウォンの夫。ペク・ジェヒと不倫をしていた。テレビに出演するイタリア料理のシェフ。忘年会のパーティーに参加した一人。商売人のため世間の評判が第一で世間に見せる立派な自己像を何としてでも守りたい。でも実はクソったれで見栄え第一の詐欺師みたいなおじさん。ファン・ドンソクは妻を思い通りにしようといろんな手口を使ってジョンウォンを思い通りにしようと企んでいました。

ラストでは「良い父親になりたい」という自分の夢を叶えるためにジョンウォンに近寄るのですが、見破られてしまいます。「結局自分がこうなりたい」という夢のために家族を利用する卑怯な男です。

チャ・ミンジェ

ウンスの元愛人。ウンスの元患者。既婚者。チャ・ソンホの父親。息子にそこそこ嫌われていた。高校の国語の先生。気分障害を抱えているようであり手首にリストカットの痕がある。自分の想像した鬱な世界(傷つき体験を根に持ちいつまでもくよくよしている)に入り浸っているナルシストという愚かな性格でウンスはそこから彼を救い出して癒したかった。自分のことしか考えてないタイプだから息子に嫌われる。傍目には幼稚で嫌な性格だと・・・私は思いますよw皆さんも気を付けましょう(笑)バカバカしいほど愚かな人なんですが・・・そんな人でも結婚できるのですから、ある意味いい世の中ですね。

しかしチャ・ミンジェがペク・ジェヒとも付き合っていた可能性も無きにしもあらずで・・・一体この人は何だったのでしょうね。とりあえず、ナ・ユンジョンに殺されたことになっています。

カン・テオ

ファヨンの元恋人。イケメンのビジネスマン。再会したファヨンの誘惑に負けてベッドイン。既婚者でキム・ヒジンは妻。忘年会のパーティーに参加した一人。

元カノと間がさして、それを悪びれもしないところがダメ男。

キム・ヒジン

カン・テオの正妻。姿は見えない(2度だけ出演)。病的なほど嫉妬深いらしい。

ナ・ユンジョン

セヨンの向かいにJING's HAIRという美容室を開く。ソン・チャンヒョンの母親でやくざ。前科者。息子のために嫁のペク・ジェヒの死の真相を調べファン・ドンソクにたどり着いた途中で殺された。大きな家に住むお金持ち。

ナ・ユンジョンはチャ・ミンジェを殺して蝋燭を奪って中身を確かめ、ウンスの病院に行ってジェヒのテープを盗みます。その録音を聞いてファン・ドンソクが持ってる蝋燭の中身を確かめました。

結局、彼女はキム・ヨンデに殺されました。ナ・ユンジョンはキム・ヨンデを目撃してしまい、そのことでハン・サンフンと取引しようとしていました。

ソン・チャンヒョン

職業は不明。素行が荒っぽいのでペク・ジェヒを殺した犯人として冤罪で逮捕され2年前から刑務所暮らし。獄中から愛人に命じて真犯人を捜させる。興奮すると暴れる。忘年会のパーティーに参加した一人。

実はソン・チャンヒョンはリプリー症候群という精神病を患っており、自分でついた嘘を自分で本当と信じ込む病気でした。ナ・ユンジョンは息子のいう事を信じて真犯人を捜して殺されました。実はペク・ジェヒを殺したのはソン・チャンヒョン自身だったとウンスに気づかれました。

ペク・ジェヒ

セヨンたちの高校時代の同級生。蝋燭工房を営んでいたが2年前に何者かに殺される。衝動的で暴力的なやくざ男のソン・チャンヒョンの妻で既婚者だがファン・ドンソクにメロメロで不倫をしていた。ロウソクの講習会を開いてセヨンとジョンウォンとウンス、キム・ヒジンを指導した。ファン・ドンソクに愛のブレスレットが入った蝋燭(ピンクのチェック模様の円柱形)を贈る。2年前にロウソク工房NARA ARTの忘年会のパーティーを主催する。

もしかしたらペク・ジェヒは他にも浮気をしていたのかもしれません。

パク・ジョンシム

中国人の家政婦としてセヨンの家に上がり込む。その正体はキム・ヨンデの女でセヨンが結婚する前に長女を出産している。セヨンの結婚後も関係を持ち次女を出産。保険金詐欺師のキム・ヨンデの命令で動く共犯者。

キム・ヨンデの命令でイェリンに毒を盛っていました。

終盤でジョンシムは長女がキム・ヨンデに殺されたことを知り、キム・ヨンデを殺してしまいます。ジョンシムはセヨンに心を許し、何度も謝りました。

ヤン・ジンゴン

ファヨンの上司で弁護士。ソン・チャンヒョンの愛人に利用される。ファヨンのセフレ。

パク・ソミ

演劇科出身。ソン・チャンヒョンの愛人。ソン・チャンヒョンに命じられてカン・テオの妻を名乗りファヨンに接近・利用。

イェリン

セヨンの娘。11話で急病(急性リンパ性白血病)を発症。一時心肺停止。パク・ジョンシムに毒を盛られて肺繊維症になる。

サンヒ

パク・ジョンシムの次女。イェリンの友達かつ異母妹。イェリンを姉と慕っている。

アヨン

ハン・サンフンの娘。イェリンと同じ幼稚園。

ギョンヒン

パク・ジョンシムの長女。既に他界。イェリンの異母姉。死因はお察しの通り。キム・ヨンデに毒を盛られて肺繊維症で死ぬ。障がい者。

パク・デス

刑事。

ストーリー

このドラマは主人公の4人の女友達が、もしかしたら人を殺してしまったかもしれないプロローグからはじまります。なんだかとても恐ろしいことが起きたということがわかり、最初からゾクゾクします。しかも死んでいるっぽい男の人は誰だかわかりません。女たちが祝杯をあげていることから相当な恨みがあったと思われます。

そして物語は「過去」をメインに描かれて行きます。主人公のセヨン(ハン・ガイン)は未亡人で2年前に夫のキム・ヨンデが海上で行方不明になり死亡保険金を受け取っていました。セヨンは夫の保険金はすべて娘のイェリンの結婚や留学のために使うと言い、一切手を付けていません。セヨンは自力でカフェを営む社長で経済的に自立した女性です。セヨンには3人の女友達がいました。彼女たちは皆高校の同級生で、それぞれ精神科医、教師、パラリーガルという職業に就く自立した女性でした。そんな彼女たちは事件に巻き込まれていきます。

セヨンの営む「カフェ・ブラウン」の向いの店に美容師のナ・ユンジョンが「JING's HAIR」というヘアーサロンを開店しました。その目的はセヨンたちを監視することです。ナ・ユンジョンには前科がありました。そして店にこの美容室の店舗が入る前はペク・ジェヒが自営する蝋燭工房「NARA ART」が営まれており、そこではペク・ジェヒが2年前に殺された殺人事件がありました。ナ・ユンジョンにとってペク・ジェヒは息子のソン・チャンヒョンの嫁で、どうしてもこの事件の真犯人を見つける必要がありました。それは可愛い息子、ソン・チャンヒョンがペク・ジェヒ殺人の濡れ衣を着せられて刑務所に入っていたからでした。

精神科医のウンスのもとに、一人の青年が患者を装いウンスを調べに現れました。その青年(大学生)の名前はチャ・ソンホ。彼は2年前に殺された実父チャ・ミンジェの死にウンスが関わっているのではないかと思っていました。事件現場であるチャ・ミンジェの家から何かを持ちだした女がいるという子どもの目撃情報が手がかりでした。チャ・ソンホは患者の振りをしてウンスを観察し「嫌いだった父を殺した犯人を見つけて復讐したい」と言いました。ウンスはかつてソンホの父親のチャ・ミンジェと愛人関係にありました。ウンスはソンホが持ってきたチャ・ミンジェに宛てられたという「あなたとの1年が愛おしかったという内容の年賀状(伏線は14話の時点で回収されていないがペク・ジェヒが書いたもの)」を見て、自分のほかにチャ・ミンジェに愛人がいたのではないかと思います。


セヨンにはハン・サンフンという子連れの男が現れ彼女に急接近してきます。ハン・サンフンは幼稚園繋がりでセヨンと顔見知りになりました。そしてセヨンの家の中に入り込む自称中国人のシッター(家政婦)パク・ジョンシム。パク・ジョンシムは嘘をつきながらセヨンに急接近し、セヨンの娘のイェリンの子守りと家事を引き受けるようになります。実はこのハン・サンフンという男の正体は保険会社の調査員でキム・ヨンデをずっと追っていました。ハン・サンフンは勝手にセヨンの家に侵入したり、部下を使ってセヨンに揺さぶりをかけながら証拠を捜します。セヨンはハン・サンフンの行動に不審な点があることに気が付きハン・サンフンの家に行きました。ハン・サンフンは「セヨンさんのことが心配だ」と言いましたがセヨンは信じませんでした。

パラリーガルのファヨンは上司の弁護士ヤン・ジンゴンとセックスフレンドで遊び友達でした。ヤン・ジンゴンのもとに「カン・テオの妻」を自称する若い女が現れ夫の不貞行為の証拠を見つけて離婚したいと相談をもちかけられます。ファヨンは元カレのカン・テオを尾行して女が現れないか常に見張っていたところ、カン・テオにバレてしまいます。カン・テオは妻のためにこのまま尾行して写真を撮り続けてくれとファヨンに言います。ファヨンはカン・テオと再び親しくなりました。そんなファヨンの様子を監視している女がいました。その女の正体はカン・テオの妻を自称した、パク・ソミというソン・チャンヒョンの愛人でした。ソン・チャンヒョンは刑務所の中からパク・ソミを使い、自分を陥れた真犯人を捜していました。ソン・チャンヒョンの目的はカン・テオの尾行ではなく「カン・テオが持っていた蝋燭の贈り主」を確かめることでした。

ウンスはソンホの自分への疑いを晴らすためにソンホと一緒に犯人捜しをはじめます。ウンスはチャ・ミンジェの家から持ち出されたものが蝋燭であると知りました。その蝋燭の中にはウンスがチャ・ミンジェのために作った二人のイニシャル入りの愛のブレスレットが入っていました。その蝋燭を持ちだしたのは美容師のナ・ユンジョンで、ウンスはナ・ユンジョンがチャ・ミンジェを殺したと思い、美容室に乗り込みます。ウンスはナ・ユンジョンに殺されそうになったところをチャ・ソンホに助けられます。そのナ・ユンジョンが真犯人に殺されました。

高校教師ファン・ジョンウォンにはファン・ドンソクというイタリア料理のシェフという夫がいました。しかしファン・ドンソクは無精子症であり子種がありませんでした。日中から仕事を抜け出し子作りに励む様子を同僚教師のクォン・ミンギュに知られてしまいます。ジョンウォンに欲情したクォン・ミンギュはジョンウォンを口説き落として一夜の契りを結んでしまいました。しかしこのクォン・ミンギュの正体は小悪党でジョンウォンとの情事の録画ビデオを手に入れるとジョンウォンとファン・ドンソクに送り付けてしまいます。ジョンウォンはこの動画がもとで恐怖に陥り夫との関係が変化して夫婦生活に亀裂が入ってしまいました。ファン・ドンソクはジョンウォンが不倫していると知りながら、ジョンウォンのために新作のレシピを振舞ったり、子育てテレビに一緒に出演する計画を立てました。しかしある日、ジョンウォンは見せに落ちていた愛のブレスレットの破片を拾い、ファン・ドンソクが不倫していたことを知りショックを受けます。


ある夜、嫁の不倫相手を嗅ぎまわっていたナ・ユンジョンが殺され、その翌日からハン・サンフンが失踪しました。ハン・サンフンはキム・ヨンデに捕らえられて拷問を受け、生き延びるためにキム・ヨンデに入れ知恵し、ファン・ドンソクにナ・ユンジョン殺しの罪を着せる方法を提案しました。

その翌日、ファン・ドンソクはナ・ユンジョン殺しの濡れ衣を着せられて逮捕されました。ファン・ドンソクはナ・ユンジョンが殺された夜、彼女が店に来て愛のブレスレットが入った蝋燭を見つけ、ペク・ジェヒが作った物かと問い詰めます。ファン・ドンソクはその問いには答えずにナ・ユンジョンからブレスレットを奪い返して店から追い出しました。そのブレスレットはドンソクとジェヒのイニシャルが入っていたのでした。

実はナ・ユンジョン殺しの現場には死んだはずのキム・ヨンデの指紋がありました。刑事のパク・デスは疑問に思い、セヨンの前に現れます。隠れていることがバレそうになったキム・ヨンデはセヨンに連絡をとり再会しました。実は現場にキム・ヨンデの指紋を残したのは元刑事のハン・サンフンでした。ハン・サンフンは指紋を貼り付けておけばキム・ヨンデが行動に出ると踏んでいました。ハン・サンフンはパク・ジョンシムを追っていたところ、キム・ヨンデに拉致されたのでした。

セヨンの娘のイェリンが急性白血病で倒れて病院に入院しました。そしてセヨンはイェリンの面倒を見ていたパク・ジョンシムが農薬を入れたことに気づきます。そんな折にハン・サンフンが行方不明になり、セヨンに保険金詐欺の容疑がかかりました。セヨンに罪を着せたのはキム・ヨンデでした。キム・ヨンデはパク・ジョンシムとグルでした。キム・ヨンデの正体は保険金詐欺師で15年前に自分の父親を殺していたのでした。そして次にパク・ジョンシムの長女をイェリンと同じ手口を使って殺し、保険金を詐取していました。ハン・サンフンはそこまで調査して知っていながらキム・ヨンデとパク・ジョンシムを泳がせていました。なぜならキム・ヨンデが次に狙うのはセヨンあるいはイェリンであると予想していたからでした。だから以前、ハン・サンフンは「セヨンさんが心配なんです」と本気でセヨンの身を案じていたのでした。しかし現れたキム・ヨンデは娘のイェリンを殺すぞとセヨンを脅し、保険金を全額奪って逃走しました。セヨンは夫に追い詰められたことに絶望して自殺しそうになりました。セヨンは娘のために自分への濡れ衣を晴らす決意をします。ファヨンはカン・テオと別れ、ジョンウォンは商売第一の夫と別れ、一人で子どもを産み育てる決心をして、事件に巻き込まれてそれぞれ成長した3人の女友達はセヨンに協力してキム・ヨンデに立ち向かうのでした。ハン・サンフンもまたセヨンと娘のアヨンを守るために命を捨てる決心をします。
(※ ここまでがラスト手前の15話までの内容です。)



感想(総合)

ミストレスを1話から最終回まで全話見終えた感想です。完全にネタバレしています。

「太陽を抱く月」「赤と黒」の主演女優ハン・ガイン6年振りの復帰策です。日本でもハン・ガインのことを覚えている人は多かったみたいで、この「ミストレス」は現在NHKBSプレミアムで放送中の「秘密の扉」よりも私のブログでは人気です。ハン・ガインは結婚後に一女を出産しており、2018年の時点で何と36歳です。「太陽を抱く月」を見られた視聴者のみなさんも、このブログを書いている私も既に歳をとってしまっていて月日が経つのは早いなと思います。おばさんになったハン・ガインは、声がすごく低くなっていてびっくり!もともと低めの声でしたが、かなりハスキーなお声になっていました。韓国では幼児教育は仕事を休まなければならないほど重要なのでしょうか?やっぱり競争が激しいから自分のキャリアを捨てて子育てしなければいけなかったのかな?と勘繰っちゃいました。女優としてはもったいない過ごし方だったと思います。もう女優としての旬は過ぎてしまいましたから。

さて、最終回まで見終えましたので本格的な感想を書きたいと思います。

このドラマにはまだ不明な謎、回収されなかった伏線が残っていました。それは「年賀状」です。年賀状はペク・ジェヒの筆跡で1年の交際のステキな感想が書かれていて、それをチャ・ソンホが持っていました。ペク・ジェヒとチャ・ミンジェとの先生は高校の生徒と恩師という関係です。チャ・ミンジェが2年前から3年前の間にチャ・ミンジェと付き合っていたのであれば、この年賀状がチャ・ミンジェ宅にあったことは納得がいきます。しかしその時期はチャ・ミンジェがウンスと不倫していた時期と重なります。実はチャ・ミンジェがそういう遊び人だったというならわかりますが、チャ・ソンホがペク・ジェヒの筆跡を真似てウンスを釣るために作っり、ナ・ユンジョンが嫁のジェヒの筆跡を真似てチャ・ミンジェの家にわざと置いたのでなければ、ちょっと意味がわかりません。私がドラマを見逃していて、何か忘れてるのかもしれませんが・・・。

話の筋は、キム・ヨンデの保険金殺人にソン・チャンヒョンとナ・ユンジョンが関わった殺人事件が関わっていたという構図です。ですがドラマの視聴者には何がなんだかわからない感じに作ってあったので、事件が起きる場面がすごーーーく怖かったです。はじめは主人公のセヨンたちが人を殺したんじゃないかという場面から始まりますので視聴者としてはセヨンたち4人を疑いながら見ざるを得ない状況になりました。

途中で出てくる登場人物、ナ・ユンジョンは明らかに怪しくて、笑顔で親切なおばさんに裏の顔があることがわかります。ハン・サンフンも最終的にはいい男みたいになってましたけど、終盤までは正体のわからない怪しい男なので、見ている人も、主人公も好きになれるはずがありません。「このドラマにあんな大悪党が隠れていたなんて!」と思うのですが(笑)そこがまさしくドラマの狙いなのでしょうね。

それよりも序盤で見せつけられるのはセヨン、ジョンウォン、ウンス、ファヨンの4人の熟女の濡れ場です。韓ドラでそういう場面を描いたドラマは日本ではあまりBSでは放送されないので、珍しいし、いやらしいし・・・一体何をやってるのという戸惑いもありながら・・・セヨンだけはベッドまで行かずにちょっとだけキスするだけなんですね。主人公たちが倫理上いけないことをしている場面と、真面目な顔をして犯人を追いかけている場面のギャップがまた背徳的で、やはり正義という方向に行くには彼女たちは不倫をやめないといけません。だから途中で男と別れるという場面が描かれひとまわり成長する必要がありました。そうじゃなきゃ不倫女が悪党倒すなんてバカバカしいと視聴者は思っちゃいますからね。

悪を倒す正義の主人公が序盤で不倫しちゃってる・・・ということが面白いかというと、別にって感じです・・・やっぱり。

最初は本当に怖い場面が多くて、ナ・ユンジョンが足をばたつかせる場面とか・・・もう怖すぎで、最終回でソン・チャンヒョンがペク・ジェヒをやってる場面はもっと怖かったので直視できませんでした。

結局このドラマが面白かったかどうかというと、不快な気持ちのほうが大きいです。
  • 評価: ★★★★★(5/5点)
星3つにしたいけど4くらいかな・・・やっぱり5!1つの★はパク・ジョンシム役の最後の演技が良かったので。やっぱりドラマって、最終回はスッキリした気持ちになりたいですよね?それが無かったので★-1点、そしてやっぱり気持ち悪いので★-1個。ということで。5+1-1-1=4!そして最後に女性の問題を扱っている点で★5です。

終わってからお風呂でちょっと考えてたらこのドラマって実は奥深いことに気が付きました。セヨンとウンスが最終回にサウナでこのドラマの趣旨をセリフで代弁しています。それは女性が自立して生きていくということの意味を女性自身が気が付いてないまま苦しんでいることについてです。このドラマでは美貌と体形などに自信のある女性が陥りがちな不倫を否定しています。不倫を否定するにはまず不倫という行為を描かなければなりません。そこで勘違いした視聴者は条件反射的に主人公の美女たちを憎んでそのまま「気づき」が無いまま視聴を終えてしまうでしょう。しかし主人公たちはそういう彼氏彼女レベルの恋愛を自分で否定するようになります。その経緯、心の変化について鈍感な視聴者にはわからないかもしれませんが、そこも大事な表現ポイントとなってきます。このドラマの主張点のひとつは女性の真の自立の条件として不倫の否定を挙げています。不倫の否定は女性の精神的自立を意味しています。

次に、というか、最も大事といえることかもしれませんが、女性の経済的自立です。セヨンたち4人は働いて自力で生きてます。女性にとっても仕事は重要です。女性が自立するためには収入があることが第一条件ともいえましょう。しかしパク・ジョンシムにはそれがありませんでした。貧しいパク・ジョンシムはお金のためなら犯罪に手を染めることも構わないと考えていました。しかしその甘い考えにより自分の娘が殺されるという罰を受け、その生き方を否定し女やくざとして落とし前をつけるために、法を超えた行為と贖罪することにより責任をとりました。女性がシングルで生きられるように働くことは、それなりに良い仕事に就いていないと不可能です。しかしそんないい仕事をしている女性は世界でもごく一部です。その現実についてこのドラマでは問題提起・批判しています。

そして、やはり出産・子育てという大きな仕事について。女性が本当の意味で自立するには万が一夫がいなくなっても子どもを育てる覚悟と能力が必要だということです。だいたい男というものは「愛してる」や「お前を守る」や「家庭を守る」「いい父親になるよ」などと甘い言葉を女性に囁いて口説きます。しかしそれは「心からの本心」なのでしょうか?このドラマではファン・ドンソクが嘘の言葉を囁いていることで偽りの家庭・夫婦が表現されていました。それは本当の家族・夫婦ではないと。それと対比するようにハン・サンフンは命を懸けて愛する女性と子どもを守る男(に変わった)として描かれています。いつの時代も男という生き物は、嘘と正直者がいまして・・・いい加減な男がどういうものであり、それがいかに女性の自立を妨げているかについてこのドラマではよく表現できていると思いました。嘘つき男として序盤のハン・サンフンもそうでしたが、クォン・ミンギュもジョンウォンとセックスしたいために嘘をつきまくっていましたよね。女性としてかわいいジョンウォンを手に入れたい二人の男が彼女に嘘をつくわけですよ。当然ジョンウォンの精神は不安定にならざるを得ません。なぜなら嘘のないコミュニケーションが成立していないからです。ジョンウォンは感覚が敏感な人なので本能的に気づいてはいるものの、論理的思考力が無いので仕方なく夫の言う通りにしたり、クォン・ミンギュの嘘が見抜けなかったりします。女性が自立するためには、男の嘘を見抜く必要があるということが表現されています。

嘘を見抜く能力がある女性の一人にウンスがいます。彼女は職業柄、常に頭をクールにしておかねばならないので、偏桃体をほとんど自分で制御しています。セヨンもまた経営者なので、同じようにクールでいる必要があることからウンスとは共通した能力・考えを持っているのでこのドラマでは大抵セヨンとウンスはセットで登場します。しかしセヨンには「嘘を見抜く能力」が欠けていました。それが事件に巻き込まれる原因であり、女性が生きるためには「男の嘘を見抜く能力」が特に必要であるとこのドラマではちょーーー強調されています。

最終的に女性は経済的な自立のほか、精神的にも自立し、知恵でもってさまざまな嘘を見抜いて騙されない能力、子どもをシングルでも育てる能力と覚悟、意志の強さなど、真に自立する条件を揃えることの困難さが表現されていました。このドラマ、皆さんはお気づきではないかもしれませんが意外と「硬派なドラマ」です。

人間が自立するということは、そもそもいろいろなことから学びを得て、自分の頭で考えないとできないことです。結婚して家庭を築いたからといって、それで満足している人も多いです。しかし仕事があって結婚して子どもがいるという外側の条件そのものを満たすことは本当の自立ではありません。結婚とは、互いに依存し合う関係ではないのです。たとえ離婚や死別などで一人になっても一人で生きていく決意と能力、それが結婚の責任の本質であり自立するということなのです。それが難しいからこそ、ある者は犯罪に手を染め、ある者は人まで殺してしまった。そうなんです。つまり人が自立するということは、悪事に手を染めないことも条件に含まれるのです。世の中には自立していない人(自立していると勘違いしている人)が他人をコケにしてる光景をよく見ますけど、ほんとうにバカバカしい。本当の自立ということはもっと厳しいことなのだと。このドラマを見て私も学んだことがあったので高い評価をつけることにしました。

ついでに、見終わった次の日に思ったんですが本当の「自信」というものはこれらの自立によって裏付けられてはじめて本物になるといえましょう。だから「虚栄」を「自信」と勘違いしている人が世の中には半分以上いるかもしれません。私たちはどや顔の自信ありげな人を見て、劣等感を抱いて自信をなくしたりすることもしばしばです。ですが、自信たっぷりに見える人は本当にそれが自信であるのか観察してみてください。言動に甘えや依存、暴力が見られる、見た目自信たっぷりの人のそれは「虚栄」でしかないということがわかればそんなに怖く思う必要はありません。まずすぐキレる人は精神的に自立した人間ではありません。甘えた振りをする人もです。ユーモアでごまかす人もです。自分の利益のために他人を騙して利用する人。どんなに収入がある人でもそういう人は心が病気です。本当の自信というものは、つらいことも不快なこと、嫌なことも、怒って暴れず自分で引き受けていける覚悟と能力が備わっている人だけが持てる心の状態です。そういう本当の自信が備わっている人はキレることが犬の無駄吠えと等しいことを知っているから妻や夫、子ども、他人、弱い人に怒鳴ったり暴力を振るう必要がないのです。自信とはこれらのくだらない行為をしない能力を持っていることで自然と身に付くものであり、自発的に自信だけが身に付くわけではありません。そもそも自信だけ付けようとする行為は間違いであることが、私が言ってる意味がわかる人ならわかるでしょう。自ら善い生き方を選んでこそ本物の自信が身に付くのです。その辺で大声をあげている人をみかけたら、犬が吠えているのと同じと思ってよいでしょう。威張っている人を見かけたら、犬が犬の尻に覆いかぶさっているのと同じと思ってよいでしょう。本当の自信というのは静かで勇敢で強いものなのです。その心は道元(日本史の教科書に出てくる)さんやブッダの名言に通じるものがあります。

私?私は自信ありませんよ(笑)でも今回のドラマを通して私が求めていた自信というものが、こういうものだと理解できたので、そこは勉強になったと思います。私も「虚栄」を求めては落ち込むことの繰り返しでしたから、そこの違いがわかってよかったと思います。人というものは大体が生まれたときから心の病気ですから、そこからいかに抜け出すかが仏教の目的であったりいろんな宗教であったりするんですよね。本当は威張る必要もなく、怒る必要もなく、怖がる必要も泣く必要すらないのです。それ(学習により条件反射して反応しているだけ)がわかればいくぶんは心も軽くなることでしょう。

ひとつ私から女性にアドバイスできることがあるとすれば、生理直前、はじまりの辺りは血液が脳に渡ってないので疲れやすくなったり集中が切れたり考えると疲弊するのです。それは病気ではなくそういう仕組みになってるのです。でも男や無知な女性にはそれが理解できないようなので、休むことが許されないのです。また産後なんかも血液をミルクにして体の中から出て行くのですから、同じ現象があって当然です。通常よりエネルギーが減っている状態ですから元気なときのような無理は「できない」のです。でもバリバリ働くことを常にしている女性にとっては何が起きているかわからず元気が出なくなったと精神的に混乱して落ち込んでしまうのです。この元気を出せない時期は、どうしても家事の負担を減らさざるを得ません。ハムとか加工肉などのお惣菜をうまく使って乗り切りましょうね。今のところ社会はバカなのでわかってませんから。この現象自体は動物として当然のことであり、ビョーキじゃないのです。この時期だけは、マメに休んで、動かない・考えない・栄養はとることが一番です。この時期の女性が苦しむのは男がヒステリーだとかなんだとかいって余計に傷つけるからなのです。本来はこの時期の女性は弱くなっているので群れが安全を確保すべきなのに、夫や親に守られていないどこどかむしろ攻撃されるから余計に具合が悪くなるのです。ということで、ピリピリしている女性には優しくしましょうね(笑)女性に優しく・・・というのは人類の理に叶っているのです。

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